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平成30年 9月定例会
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  1. 勝浦市議会 2018-09-01
    平成30年 9月定例会


    取得元: 勝浦市議会公式サイト
    最終取得日: 2021-07-20
    平成30年9月 勝浦市議会定例会会議録(第2号) ○出席議員 15人 平成30年9月5日 1番 鈴 木 克 己 君 3番 藤 本 治 君 4番 久 我 恵 子 君 5番 磯 野 典 正 君 6番 照 川 由美子 君 7番 戸 坂 健 一 君 8番 佐 藤 啓 史 君 9番 寺 尾 重 雄 君 10番 土 屋 元 君 11番 松 﨑 栄 二 君 12番 丸 昭 君 13番 岩 瀬 洋 男 君 14番 黒 川 民 雄 君 15番 岩 瀬 義 信 君 16番 末 吉 定 夫 君 欠席議員 なし 地方自治法第121条の規定により出席した者の職氏名
    長 猿 田 寿 男 君 副 市 長 関 重 夫 君 育 長 岩 瀬 好 央 君 総 務 課 長 酒 井 清 彦 君 企 画 課 長 軽 込 一 浩 君 財 政 課 長 齋 藤 恒 夫 君 税 務 課 長 土 屋 英 二 君 市 民 課 長 植 村 仁 君 介 護 健 康 課 長 大 森 基 彦 君 福 祉 課 長 吉 清 佳 明 君 生 活 環 境課 長 兼 神 戸 哲 也 君 都 市 建 設 課 長 鈴 木 克 己 君 清掃センター所長 農 林 水 産 課 長 平 松 等 君 観 光 商 工 課 長 高 橋 吉 造 君 会 計 課 長 菰 田 智 君 教 育 課 長 岡 安 和 彦 君 社 会 教 育 課 長 長 田 悟 君 水 道 課 長 大 野 弥 君 職務のため議場に出席した事務局職員の職氏名 事 務 局 長 渡 辺 茂 雄 君 議 事 係 長 原 隆 宏 君 議事日程第2号 第1 一般質問 ──────────────────────── 議 事 日 程 ──────────────────────── 開 議 21 ○ ○ 市 教 ○ ○議長(岩瀬洋男君) ただいま出席議員は14人で定足数に達しておりますので、議会はここに成立 平成30年9月5日(水) 午前10時開議 いたしました。 これより本日の会議を開きます。 本日の日程は、お手元へ配付したとおりでありますので、それによってご承知を願います。 ──────────────────────── 一 般 質 問 ○議長(岩瀬洋男君) 日程第1、一般質問を行います。 質問順序表の順序により順次質問を許します。最初に、久我恵子議員の登壇を許します。久 我恵子議員。 〔4番 久我恵子君登壇〕 ○4番(久我恵子君) ただいま議長よりお許しをいただきましたので、登壇しての質問をさせてい
    ただきます。久我恵子でございます。どうぞよろしくお願いいたします。9月、一般質問、ト ップパッター、精いっぱい努めます。 今回、質問は2点でございます。1点目、災害時のトイレについてお伺いをいたします。 近年、台風の巨大化や、時間雨量100ミリを超える雨が頻発するなど、自然災害が局地化、集 中化、激甚化しています。7月には、平成30年7月豪雨が西日本や北海道、中部地方、全国的 に広い範囲で甚大な被害をもたらし、多くの方が被災され、避難所での生活を余儀なくされま した。昨日も、今年最大の台風21号が日本各地に大きな被害をもたらし、関西空港は水浸しと なり、5,000人の方が空港で陸の孤島という状態になりました。大いなる自然の力の前では、私 たち人間の力の無力さを思い知らされたような感じがいたしました。 勝浦市においても、7月28日の台風12号、8月8日の13号では避難準備・高齢者等避難開始 が発令されました。地域の高齢者の方の中には、勝浦は日蓮様が守ってくれているから大丈夫 と言われる方が多くいらっしゃいます。それほど勝浦では近年大きな被害は起きてはおりませ ん。しかし、年々巨大化する台風やゲリラ豪雨、線状降水帯による風水害、高潮、土砂崩れ等 の想定外、経験したことのない大雨に等に備えなければならないと思います。 南海トラフ地震首都直下型地震千葉東方沖地震のどれもが、明日、または今起きてもお かしくないと言われております。南海トラフの大地震が発生した場合、関東から九州までの太 平洋側の広範囲において、震度6から震度7の強い揺れが発生し、巨大な津波が短時間で広範 囲にわたる太平洋沿岸に襲来することが予想されております。勝浦市沿岸にも津波は襲来し、 多大なる被害が予想されます。津波被害の場合には、特に避難の長期化が予想され、避難所で さまざまな問題が懸念されております。 一たび災害が発生し、多くの人が避難所で過ごすことになると、さまざまなことが問題とな ります。特に、トイレの問題は被災者の生命、安全に大きく関与いたします。避難所の施設に よっては和式便所のトイレが多く、足腰の弱い高齢者の方には使い勝手が悪かったり、トイレ の個数が少なく長時間待たなければならない等の問題が起こります。また、汚い、臭い、暗い、 22 怖い、寒い、遠い、男女共用、プライバシーがない、段差がある等で、トイレの使用をためら うことなどによりトイレの回数を減らすため、水分や食品の摂取を控えることにつながり、脱 水症状や免疫力の低下、そして持病の悪化、最悪、エコノミークラス症候群を発症し、命を脅 かすこととなります。 行政による食料や飲料水、生活用品の備蓄は大切なことですが、これらは被災から数日で支 援の手が届くことが考えられます。しかし、災害用トイレ仮設トイレ等は、被害地域が広い ほど各地の避難所に届くまで時間がかかります。東日本大震災では、最も日数を要した自治体 では65日もかかったとのことです。各避難所のトイレは、災害発生時には停電や断水により使 用不能になります。このようなことから災害時の避難所のトイレの問題は、勝浦市にとって喫 緊の問題であると思われます。そこで、以下のとおり質問いたします。 1、災害時の避難所におけるトイレについての現状をどのように考えておられるのかお聞か 2、災害時、避難所となる勝浦中学校で新たに建設されるプールの活用をどのように考えて せください。 いるのかをお聞かせください。 2つ目の質問、乳がんの予防についてです。 昨年の9月議会においても乳がんの予防について質問をさせていただきました。今や乳がん は、日本人女性の11人に1人。2017年には約8万9,100人の女性が乳がんと診断され、約1万 4,400人が乳がんにより命を落としました。乳がんによる死亡者数は、この30年で約3倍となっ ております。最近では著名な女性漫画家が、53歳の若さで乳がんにより命を奪われました。 乳がんは、腫瘍が2センチ以下で、リンパ節への転移がなければ、9割は完治されると言わ れております。早期発見が早いほど治癒率が高いがんです。早期発見には乳がん検診が有効な のですが、アメリカでは受診率85%なのに対し、日本では半分以下の約40%。勝浦市において は直近の数字で11%と、受診率の低さが問題となっております。 早期発見の鍵はマンモグラフィー検査ですが、日本人女性の約8割はデンスブレストと呼ば
    れる高濃度乳房で、マンモグラフィー画像では乳房全体が白くかすんで写り、同じく白く写る がん細胞が見つけづらい傾向にあります。高濃度乳房は体質であり、病気ではありません。し かし厚生労働省は、高濃度乳房の説明の難しさや、エコー検査を併用すれば異常は発見しやす いが、死亡率を減らせるかは明確にはなっていないとの理由で、受診者への通知は時期尚早と しています。しかし、高濃度乳房を通知しているアメリカでは、乳がんの死亡率は3割も減っ ています。日本でも、自治体によっては独自に通知を始めているところもあります。勝浦市に おいても、そのような自治体の事例を調査研究してはと昨年9月の一般質問でお聞きしたとこ ろ、調査研究するとのお答えでした。そこで、その後の進捗状況についてお伺いをしたいと思 います。 以上、登壇しての質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) 市長から答弁を求めます。猿田市長。 〔市長 猿田寿男君登壇〕 ○市長(猿田寿男君) 皆さん、おはようございます。ただいまの久我議員の一般質問に対しお答え 申し上げますが、お答えする前に、先ほど久我議員からも出ましたけれども、昨日の台風21号 は、四国や近畿地方を縦断して、日本列島の広範囲に暴風雨をもたらし、甚大な被害をもたら 23 しました。今回の台風でお亡くなりになられた方々にお悔やみを申し上げますとともに、被災 されました皆様にお見舞いを申し上げます。 それでは、お答えを申し上げます。初めに、災害時の避難所におけるトイレについて申し上 1点目の現状と課題ということでございますけれども、本市におけるトイレの現状につきま しては、指定避難所既設トイレ及び備蓄品であります簡易式トイレでの対応を考えておりま げます。 す。 また、課題についてでありますが、災害時には仮設トイレがすぐに避難所に届くとは限らず、 避難者数に比べてトイレの数が不足することも予想されます。東日本大震災におきましては、 発災から数日間でトイレが排泄物の山となって、劣悪な衛生状態になったところもあったとの ことでございます。また、トイレの設置場所が暗い、和式トイレである、段差がある等の問題 によりまして、高齢者や障がい者、女性や子ども等にとりましても使用しにくいものでありま して、このことから、トイレの使用を減らすために水分や食事を控えることとなり、避難者の 心身の機能低下や、さまざまな疾患の発生・悪化が見られたとの報告もございました。 このように、トイレの課題は多くの健康被害と衛生環境の悪化をもたらし、同時に不快な思 いをする被災者を増やすこととなることから、水や食料等の支援とともに、被災者の命を支え る社会基盤サービスの一つとして認識し、適切な対応が必要であると考えております。 2点目の災害時の避難所となります勝浦中学校のプールの活用についてでありますが、現在 建設中のプールは、平成31年3月に竣工を予定しております。完成時には、長さ25メートル、 幅13メートル、深さ1.3メートル、満水時で422.5立方メートルの容量となります。このプール には、飲料水としても使用できる浄水機能が整備されることになっておりますことから、災害 時においては生活用水として使用してまいりたいと考えております。 次に、乳がん予防について申し上げます。 議員、前々からいろいろご指摘をいただいておるところでございますけれども、乳がん予防 で、高濃度乳房に関する通知についてでありますけれども、議員ご指摘のとおり、平成30年5 月24日付で厚生労働省より通知が出ております。この内容は、日本乳癌検診学会日本乳癌学 会、日本乳がん検診精度管理中央機構、いわゆる乳がん検診関連3団体の提言として、現時点 で全国一律に乳房の構成に関する通知を行なうことは時期尚早であるということでございます。 その理由としましては、高濃度乳房と判定された人においては、乳腺の陰に病変が隠れてが んが発見されにくい傾向にある一方、現時点で推奨できる有効な検査方法がないためというも のであります。 市が業務を委託しておりますちば県民保健予防財団では、本年度より、マンモグラフィー検 査を受けられた方の乳房の構成は把握できるようになっておりますが、先ほど申し上げました
    通知を検討した結果、本年度は通知しないことといたしました。 しかし、昨今話題となっております高濃度乳房に関することは、平成29年9月定例会におい て議員からご指摘のありましたとおり、他の乳房構成の場合と比べますと、がんがあってもマ ンモグラフィーで発見されない割合が高くなることは否定できないものであると考えます。 したがいまして、今後は国からの通知等に注意するとともに、通知をするためにはどのよう な課題があるのか、また、それらをどのように解決していくべきかなどを検討した上で、乳房 24 構成の通知をすることができるように検討してまいりたいと考えております。 以上で、久我議員の一般質問に対する答弁を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) それでは、災害時の避難所についてのトイレの問題ですが、先に、勝浦中学 校のプールについてお伺いをいたします。まず最初に、災害時における勝浦中学校のプールで すが、勝浦中学校の体育館が避難所となると思いますが、避難者の収容人数はどのくらいを想 定しているのかをお伺いいたします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。勝浦中学校、避難所としての想定人数は1,100人を 想定してございます。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 勝中の体育館は1,100人を想定しているとのことでございますが、先ほど市 長の答弁において、プールの水は飲料水や生活用水に使用できるとのことでしたが、そのプー ルの水、いつもきれいとは限りません。この水を浄水する能力があると思うんですが、この浄 水能力はどの程度のものなのか、また、当然、災害時でございますので、停電あるいは断水等 起きておりますので、そのような場合に使えるのかどうか、そして、想定される1,100人の避難 者の何日分の生活用水になるのかをお聞かせください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。勝浦中学校のプールでございますが、あそこには、 今、建設中ですけれども、ガソリンエンジンで起動する浄水器を備えつける予定でございます。 その浄水能力でございますけれども、1時間で約2,000リットルの飲料水をつくることができま す。また、ガソリンエンジンでございますので、燃料がなくなった場合等も考えられることか ら、手動でも浄水が可能になっておりまして、手動ですと、1時間で約1,000リットルの飲料水 をつくることができます。 また、生活用水としての、何日分かということでございますけれども、大体、生活用水とし て、1人1日使用するのが最低で3リットルと言われております。そのことから申し上げます と、1日1,100人を想定して、1人3リットルですので3,300リットル、これを満水時の容量に 割り返しますと、約128日分の生活用水ということになります。ただ、これはあくまでも生活用 水ということでございまして、トイレの水とはまた別になりますので、その辺はご理解いただ きたいと思います。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 災害時、勝中のプールの水が生活用水として、飲料水として十分であること は、よくわかりました。また、停電時においても手動で水が浄水できるというのは、これは大 変よいことだと思います。人間にとって水は欠かすことのできない大切なのものであります。 自助の努力として個々が備蓄をするというのは大切なことでございますが、水を備蓄するのに も、個人あるいは行政でも限界がございます。先ほど課長がおっしゃいましたように、1人の 人間が1日に必要な水は約3リットル。ただ、緊急の避難時に被災者の方が、その3リットル の水を持って避難所に行くというのは大変不可能ではないかと思われます。プールの水が飲料 水、そして生活用水として使え、そして十分な量があるということは、市民にとって大変安心 25 材料になるのではないかと思います。できれば、勝中のプールだけでなく、ほかにも市所有の
    もとの学校のプール等もございますので、このプールの水も各避難所で使えるようになればと 思います。 続きまして、災害時の避難所のトイレについてお伺いをいたします。災害発生時、迅速に避 難所を開設することが重要であると思われます。先日、勝浦で行われました九都県市合同防災 訓練においても、避難所の開設を想定された訓練がなされたと思いますが、開設するためのマ ニュアルのようなものは整備されているのかをお聞かせください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。避難所の運営マニュアルと言われるものにつきまし ては、平成19年に整備はされております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 平成19年に避難所のマニュアルが整備されているということでございますが、 その概要をお聞かせください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。避難所でのマニュアルですけれども、避難所で対処 すべき業務というのは多様にわたっておりまして、水や食料の提供から、各種情報の提供、ま た衛生管理まで、広い範囲にわたっております。また、同じ業務におきましても、その避難所 の責任者の場合とか、また、当番制にした場合の、その当番になっている方の場合など、立場 やかかわり合いの方法で、さらにまた業務を実施する人の負担を軽減するためにも、なるべく 交代で実施できることが望ましいというふうに考えております。こうした状況も踏まえまして、 できるだけわかりやすく避難所の運営のあり方というのを示しておりまして、約4つに分けて 示しております。 1つ目といたしましては、避難所が行うべき業務の範囲はどこまでなのかを理解することを 目的としておりまして、避難者を含めて、避難所運営にかかわる全ての人にとって共通理解項 目というものを持つべきということで示しております。 2つ目として、避難所での行政担当者施設管理者、また避難者の代表者などの責任者が、 それぞれに実施すべき業務の全体像を知ることを目的としておりまして、どの時点で何をする かについて、広く、浅くですけれども、示してございます。 3つ目といたしまして、個別の具体的な業務を実施することになった担当者が、実際には何 を、どのように、どこまで行うかというのを示してございます。 4点目といたしまして、業務を行う際に必要となる、もっと細かい被災時事項が出てくると 思われます。それについてはあらかじめ様式をつくっておりまして、業務の処理に際して、そ の様式に従って、抜けや漏れ、また落ちがなく対応できるように対応したい、そのようなマニ ュアルにしております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 避難所の運営マニュアルについて、よくわかりました。それでは、その中に、 今、トイレについてのことがございませんでしたが、トイレについてはどのように記されてい るのかをお伺いいたします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 26 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。トイレにつきましては、避難所については、いわ る初動期、展開期、安定期、撤収期という4段階になります。初動期というのは、当然、災害 が発生した当日、展開期というのが2日目から3週間程度、安定期というのが3週間以降、撤 収期というのはライフラインが回復した時点という中で、トイレの記述に関しては、2日目か らから3週間程度の展開期及び3週間以降の安定期に対して記されております。内容といたし ましては、トイレの設置場所、また、既設のトイレにしましても、簡易トイレにしましても、 その設置場所や使用方法、清掃だとか衛生管理面などについて記されております。以上でござ います。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) トイレについて、ありがとうございます。避難所のトイレについては、過去
    の災害や国際基準から、避難者50人当たりについて1つあるとトイレに長い時間並ぶことなく 使用することができると言われております。先ほどの勝浦中学校を例に挙げますと、想定され ている避難者数は1,100人でございますから、最低でも22個のトイレが必要ということになりま す。災害直後は停電や断水で学校施設内の水洗トイレは使用不可能となることが想定されてお ります。そのような場合に使用できる簡易式トイレ、これは勝浦市においてどのくらいの数が 備蓄されているのかをお聞きします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。簡易式トイレにつきましては、いろいろな形がござ いまして、合計数でいきますと、現在、77基のトイレを備蓄してございます。また、携帯用ト イレを740個備蓄しております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 簡易トイレが77基、携帯用トイレが740個ということでございます。全ての 避難所のトイレを備蓄で賄うことは現実的ではありません。停電や断水が復旧するまでの間は、 吸水シートや凝固剤等での処理が有効な手段として考えられます。それらを活用して、少しで も避難所のトイレのストレスがなくなるようにしていただきたいと思っております。 また、男性用、女性用を区別し、女性は男性のトイレの3倍あるのが望ましいと言われてお ります。そして、使用しやすい場所は、障がいのある方、高齢者、女性、そして子どもが優先 してその使用しやすい場所を使えるように、そんなさまざまが課題があると思います。今後は、 避難所におけるトイレの確保、管理ガイドラインなどを参考にしながら、行政として最善の対 応を要望いたします。 続きまして、乳がんの予防について質問をさせていただきます。先ほど市長の答弁からもご ざいましたが、乳がんは、高濃度乳房であると、がん細胞が見えづらい。昨年はこの表現を、 雪の中で白ウサギを探すようなというような表現をさせていただきました。ただ、この高濃度 乳房がわかっているのに本人に通知をしない。例えば、今年マンモグラフィー検査を受けて異 常なしとの通知を受けて、それで高濃度乳房で見落とされていたならば、翌年のエコー検査ま で乳がんを放置することになると思います。先ほども申しましたが、高濃度乳房でがんを探す のは闇夜にカラス、雪に白ウサギ、早期発見を逃してしまうことになると思うのですが、その 点についてのお考えをお聞かせください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。大森介護健康課長。 27 ○介護健康課長(大森基彦君) お答え申し上げます。高濃度乳房に関する対応につきましては、国 においては、がん検診のあり方に関する検討会などで議論されているところでございます。こ の中で、乳房の構成を通知することのメリット、またデメリット、こういったことも議論され ております。メリットといたしましては、自身の乳房に対する意識が高まる。それによって、 変化があった場合にはすぐに医療機関を受診するなどの適切な行動をとるようになる。また、 がん検診を定期的に受診する。そういった動機が高まるというようなことが挙げられておりま す。 す。 一方、デメリットといたしましては、がんでない方が過度な心配をして精神的な負担を生じ る。不必要な検査を受ける。先ほど議員お話しありましたように、これは病気ではございませ ん。ご自分で検査を受ける場合は保険適用されずに、全額自己負担ということになります。で すので、不必要な検査を受けてしまうと、それだけ経済的負担もかかる。また、場合によって は、既にがんと診断されている方などの受診に影響が出ることも考えられるところでございま しかしながら、乳房の構成、これにつきましては受診者の方の情報ですので、自分のことは 知りたいということであれば情報提供をする必要がございますし、また、早期発見ということ からも通知が必要であるということは考えております。 そのために必要なことはどういうことかといいますと、高濃度乳房は病気ではないというこ となど、乳房の構成について、受診者に対して正しく理解していただくこと。また、市といた しましては、乳がん検診、また、乳房の構成などを正しく理解した上で、受診者に対して正し
    く情報提供をしていくこと。また、知らせた後のケアも大切でございます。ですので、通知し た後に相談があった場合については、受けるとすれば、どの検査がよいかなどを検討していく 必要があると考えております。 現在の対応といたしましては、乳がん検診の広報には、気になる症状がある場合は、市の検 診を待たずに医療機関へ受診してください。また、この乳がん検診の結果通知につきましても、 異常を感じたら、必ず早目に医療機関への受診をてくださいといったような注意喚起をしてお ります。 また、本人より申し出があった場合につきましては、乳房の構成につきましては、検診機関 に確認することができますので、検診後に受診者から問い合わせがあった場合は、回答してい くということを考えております。 いずれにいたしましても、早期発見ということは大切でございますので、今後は国からの通 知などに注意するとともに、先ほど申し上げました課題を検討して対応していきたいと考えて おるところでございます。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) ただいま課長の答弁で、通知は必要であると。ですが、今年は通知はしない。 ですが、これは今後通知していく形でというふうに考えてよろしいのでしょうか。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。大森介護健康課長。 ○介護健康課長(大森基彦君) お答え申し上げます。これにつきましては、先ほど申し上げました いろいろな課題もございますので、そういったところを検討して、いずれにしても必要である ということは考えておりますので、その辺は検討してまいりたいと考えております。以上でご 28 ざいます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。久我恵子議員。 ○4番(久我恵子君) 先ほど高濃度乳房の話で、受診者が自分の乳房タイプを認識していれば、自 己触診等で異常が感じたときに、すぐに受診をするための指針になるのではないかと私は思っ ております。先ほども申し上げましたが、現在、日本人女性の11人に1人が乳がんにかかって おります。高濃度乳房の説明が難しい、死亡率との因果関係が明確でない、現時点で推奨でき る有効な検査方法がないなどで通知をしないのは、私はおかしいと思っております。平成29年 の乳がん検診に関する実態調査においては、調査に答えた約1,700の自治体のうち、約14%、 223の自治体が、高濃度乳房であることの通知をしています。受診者には自分の乳房タイプを知 る権利があり、知ることにより早期発見につながると思います。女性にとって大切な乳房や命 が乳がんによって奪われないように、さらに、乳がん検診の受診者は、先ほども言いましたよ うに、特に勝浦は11%という大変低い数字でございます。こちらの乳がん検診の受診者を増や していくような活動をしていただきたいと思います。 そして、乳がんは女性特有のがんと思われがちでございますが、実は乳がん患者の約1%は 男性でございます。ただ、男性がかかると思われていないことから、発見されたときには重症 化しており、手おくれという場合もあるそうでございます。ちなみに、今夜、某国営放送、 「ためしてガッテン」で、この乳がんや高濃度乳房に対する番組が放送される予定でございま す。皆様の大切な配偶者やご家族を乳がんから守るためにも、男性の皆様にも、そして市民の 皆様にも、今夜、ぜひこちらをごらんいただいて、高濃度乳房について、そして乳がんについ て認識を深めていただけたらと思います。 以上で、私の質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) これをもって久我恵子議員の一般質問を終わります。 ──────────────────────── 議長(岩瀬洋男君) 次に、照川由美子議員の登壇を許します。照川由美子議員。 〔6番 照川由美子君登壇〕 ○6番(照川由美子君) こんにちは。会派、新政みらいの照川由美子です。前回、今回の台風で亡 くなられた方々のご冥福と、被災した多くの人々、被災地域の一日も早い復旧、復興をお祈り し、登壇しての質問をいたします。
    今回の質問は、大きく分けて、1、漁業対策、2、漁村観光対策、3、防災対策の3点です。 1、勝浦漁港荷さばき所の整備計画と漁業の担い手支援対策について、以下、荷さばき所を 市場と言いかえさせていただきます。 (1)市場の整備計画について。全国有数のカツオの水揚げを誇る勝浦漁港においては、長 い間、市場の整備計画が進展せず、水産業の振興面において大きな課題となっています。その ような状況下、今動き出さないと今後、市場建設はできなくなるという漁業関係者の危機感が 増し、検討会議が開始されたと聞きました。そこで、2点質問します。 ①水産物流通機能高度化対策事業基本計画は、現在どのような進捗状況にあるのか、お聞か せください。 ○ 29 ②勝浦地区荷さばき所整備検討会の実施状況と、その内容についてお伺いします。 (2)漁業の担い手支援対策について。市場の整備とともに、今後の大きな課題として漁業 の担い手対策が挙げられます。国や県の事業を最大限に活用し、後継者を支援していくことが 重要であると考え、漁業従事者を支援する取り組みについて質問します。 ①漁業への環太平洋経済連携協定対策として国が実施している浜の担い手漁船リース緊急事 業は、今現在、担い手対策として大変有効であると聞きました。本事業における本市漁業従事 者の利用状況をお伺いします。 ②本市には、漁業従事者支援事業として漁業近代化資金利子補給交付事業があると聞きまし た。その概要と利用状況についてお伺いします。 2、漁村観光推進にかかわる課題について。市の計画においては、漁村観光は海洋観光とし て書かれていますが、漁村観光という言葉を使わせていただきます。漁業の振興とともに観光 に力を入れている勝浦市にとって、漁村観光への取り組みは、今後重要になってくると考えま す。本年度、鵜原地区においては、勝浦市住民主導型地域づくり支援事業の一環として、地び き網や漁船遊覧、理想郷入江においてのカニの産卵観察、エビ網漁師体験等を実施してきまし た。その中で、今後漁村が観光地として存続していくための計画案作成に向け、課題を整理し ているところです。 そこで、漁村観光を推進する上での現状と課題について、5点質問します。 ①平成13年に勝浦市観光基本計画が策定され、漁村地域での観光については鵜原から松部周 辺が拠点として取り上げられています。漁村観光については、市はどのようなお考えをお持ち か、まずお伺いします。 えか、お聞かせください。 ②観光基本計画策定後、17年が経過しようとしていますが、当初の計画概要と実施結果につ いてお伺いします。また、反省や課題を踏まえて、今後、計画をどのように見直していくお考 ③観光振興においては道路整備が不可欠です。海水浴場周辺の道路状況については、夏の間、 交通対策として一方通行規制を行い、事故を防ごうとしています。しかしながら、車両1台分 の幅員で、屈曲した見通しの悪い道であっても、規制できない状況がある道もあります。例を 挙げますと、市道勝場2号線においては、道と並行した幅2メートルほどの川があるため、民 家の玄関において車両をかわそうとして、民家に物損被害が出ている状況があります。近くの 住民からは、川を一部塞ぎ、待機場所をつくることが要望されていますが、このような対策に ついての市の基本的な取り組み方針をお聞かせください。 ④漁村観光を推進していくための課題として、道路整備と並び、河川の水質汚濁と砂による 河口の封鎖が挙げられます。夏の観光最盛期、4つの海水浴場に流れ込む河川のうち、汚濁、 異臭が確認されている川の状況について、また、砂による河口の封鎖状況について、今期の状 況をお伺いします。 ⑤漁村観光の視点から、それぞれの港の立地条件と特徴を生かした取り組みが期待できます。 この点につきましては、漁港敷地内の安全対策、安全確保が最重要となりますが、この点につ きましての基本方針等ありましたら、お考えをお聞かせください。
    3、市内津波避難訓練実施計画と学校防災(災害)教育について。 (1)市内津波避難訓練の実施計画について。九都県市合同防災訓練に引き続き、本市にお 30 いては10月28日に津波避難訓練が予定されています。この避難訓練は地区によりさまざまな形 態であると聞いています。そこで、2点質問します。 ①昨年度の津波避難訓練の参加状況と今後の課題・改善点についてお聞かせください。 ②昨年度の課題等を踏まえた本年度の津波避難訓練計画と取り組みについてお聞かせくださ い。 (2)小中学校における防災教育について。本年6月22日、23日に開催された勝浦市教育委 員会主催の語り部講演会については、学校防災の域を超え、本市にとって新たな災害防災対策 の出発になったような深い感銘を受けた方々も多かったと思います。資料として配布された 「小さな命の意味を考える~宮城県石巻市立大川小学校からのメッセージ~」と題した冊子か らは、余り知らされなかった事実を通して、何を学ぶべきか、生かすべきか、考えさせられま した。そこで、2点質問します。 お聞かせください。 ①小中学校において、昨年度実施した地震・津波対応訓練の実施回数と訓練の内容について ②講演会実施の経緯と、語り部の話を聞いた生徒や職員等の反応を、把握している範囲でお 聞かせください。また、これを起点に今後の防災教育にどのように生かしていくのか、お考え をお伺いします。 以上、登壇しての質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) 市長から答弁を求めます。猿田市長。 〔市長 猿田寿男君登壇〕 ○市長(猿田寿男君) ただいまの照川議員の一般質問にお答え申し上げます。 初めに、勝浦漁港市場整備計画と漁業の担い手対策について申し上げます。 1点目の勝浦漁港の市場整備に係る水産物流通機能高度化対策事業基本計画の進捗状況につ いてでありますが、この計画は、平成23年1月、安全・安心な水産物の安定的な供給を目指し、 漁港関連施設を整備し、産地間競争力の強化を図るよう策定したものであります。施設整備の 概要につきましては、冷凍冷蔵施設の整備、製氷施設の整備、高度衛生管理型市場の整備等で ございます。 その進捗状況を申し上げますと、冷凍冷蔵施設につきましては平成22年度に、製氷施設につ きましては平成25年度に完成しておりますが、高度衛生管理型市場につきましては、当初、2 棟の建設を計画し、地元小型船対応の市場を平成26年度に、外来漁船対応の市場を平成28年度 から30年度の3カ年で建設する予定でございましたけれども、現時点で両市場とも未着手の状 況にございます。 これに関する経過を申し上げますと、高度衛生管理型市場は、組織基盤強化につながる漁協 合併と市場整備を一体的に行うように計画をし、合併に向けた協議を重ねてまいりました。し かしながら、両漁協が抱える諸問題を内部解決するには時間を要しており、平成26年度以後、 協議が中断している状況にございます。 このように事業が遅延している一方で、既存の市場の老朽化が進行し、安全性が懸念される ため、市場整備の方向性について両漁協と協議した結果、「将来的な合併の必要性は認めるも のの、課題解決には、なお時間を要するため、安全確保を踏まえた市場整備を優先する」とい う方針が平成29年3月にまとまりました。その後、国と県に対しまして、「今回まとめた方針 31 に基づき、計画の見直しを進めたい」と申し入れたところ、了承が得られたため、直ちに荷さ ばき所整備検討会を設置し、計画変更案の策定に取り組んでいるところでございます。 今後の予定といたしましては、変更案が年内に国の承認を得られるように、両漁協を初め県 と連携し、鋭意進めてまいりたいと考えております。 2点目の勝浦地区荷さばき所整備検討会の実施状況と、その内容についてでありますが、こ
    の検討会は、先ほど申し上げましたとおり、計画の変更案を取りまとめることを目的に設置し た会議で、勝浦漁協、新勝浦市漁協及び市で構成し、会議の際には、オブザーバーとして県の 水産局担当者の同席を求めております。また、下部組織として作業部会を設置し、変更に係る 細部の検討を図っております。 なお、会議の経過について申し上げますと、平成29年6月に第1回の検討会を開催し、これ まで合計4回開催しております。また、作業部会につきましては9回開催しております。 会議の内容についてでありますが、1つは、事業主体の変更、計画期間の延長、建設規模の 見直しや建設年次の変更のほか、国が推奨する高度衛生管理レベルに応じた仕様や市場内にお ける人や水産物の動線の確認等、運営を踏まえた十分な検討と協議を図り、変更案の策定を進 めているところでございます。 次に、漁業の担い手支援対策について申し上げます。 1点目の漁船リース事業の利用状況についてでありますが、この事業は、意欲ある漁業者が 将来にわたり希望を持って漁業経営に取り組めるよう、リース方式を導入し、漁船の更新また は取得を支援しようとする事業であります。 県における事業の概要を申し上げますと、国の補助金は、リース用の漁船を取得する一般社 団法人千葉県漁船リース事業協会に交付され、取得額から補助金を差し引いた額をベースに協 会と漁業者はリース契約を締結し、漁業者がリース料を協会に支払う制度であります。このよ うに、国が協会に取得額の2分の1以内の補助金を交付することで、漁業者のリース料負担を 軽減し、漁船の取得または更新を支援する仕組みとなっております。 続いて、主な要件でございますが、リースを受ける漁業者の年齢は、55歳未満であること。 例外として、55歳を超える場合は、45歳未満の後継者が確保されていること。その他の要件と して、中核的担い手を地域連携で育成するよう、その取り組み等を定めた浜の活力再生広域プ ランにリースを受ける漁業者が中核的漁業者として位置づけられていることが要件であります。 ご質問のありました利用状況についてでありますが、この制度が創設された平成27年度から 昨年度までの間、市内で4名の漁業者が利用しております。なお、今年度につきましては、6 名が申請し、現在、関係機関の審査を受けているところであります。 2点目の漁業近代化資金利子補給事業の概要と利用状況についてでありますが、この事業は、 漁業経営の近代化に必要な生産施設等の整備資金を漁業者に貸し付ける融資機関に対し利子補 給金を交付する制度であり、市のみならず、県と協調した助成制度であります。こうした県と 市の支援により、漁業者の利子負担を軽減し、整備を促進しようとするものであります。 事業の実績につきましては、平成29年度決算で16万1,139円を千葉県信用漁業協同組合連合会、 いわゆる信漁連に交付をしたところでございます。この対象となる資金の内訳は、新勝浦市漁 協の漁業者7名が、それぞれ、エンジンの更新等のために融資を受けた7件の資金のほか、勝 浦漁協が漁具倉庫等、漁業者が共同で利用する施設を整備する資金3件、合計10件の資金を対 32 象に利子補給を行ったものであります。 次に「漁村観光」推進にかかわる課題ついて申し上げます。 1点目の「漁村観光」についての市の考えでありますが、平成13年3月に勝浦市総合計画と の整合性を図りながら、より総合的な観光振興施策体系の構築を目指すことを目的として策定 されました勝浦市観光基本計画では、施策の体系の一つとして「多彩な海洋観光資源の育成・ 強化」を挙げており、海水浴場、海中公園、鵜原理想郷など海とかかわりのある観光施設・観 光資源が集まる鵜原地区を「うみの拠点」と位置づけ、海洋観光の中心的な存在として観光地 づくりを進めるとしております。 計画の中では、漁村観光という言葉は出てきませんけれども、議員のご質問の漁村観光は、 観光基本計画での「うみの拠点」としての観光地づくりに通ずるものと考えます。そうした中、 本年度、鵜原地区で実施しております地びき網や漁船遊覧、漁師体験など、本市の豊かな自然 や基幹産業であります漁業を生かした観光振興には、地域活性化という観点からも大きな魅力 を感じているところであります。 2点目の勝浦市観光基本計画での漁村観光関連の計画概要や実施状況、そこからの反省や課
    題を踏まえての計画の見直しについてでありますが、観光基本計画と、その実施計画の中で 「うみの拠点」として位置づけられました鵜原地区及び吉尾・松部地区は、「海中公園、海の 博物館、漁港、理想郷などを結ぶ、美しい海の散策コースをつくる」をコンセプトに、地域の 観光資源を関連づけることにより、同地区の観光地としての魅力をより大きくしていくことを 基本方針とし、具体的には、遊歩道の整備、理想郷ハイキングコースの整備、漁港の活用、海 中公園、海の博物館の拡充、駐車場の整備などを推進するとしています。 基本計画策定から17年、実施計画策定からも15年が経過し、計画している事業の実施につき ましては随時検討がなされ、理想郷ハイキングコースの整備や駐車場の整備などを実施してい るところでございます。今後につきましては、改めて計画推進について検証し、計画の見直し を含め、うみの拠点として位置づけられております鵜原地区及び吉尾・松部地区の観光振興策 を考えてまいります。 3点目の川を部分的に蓋がけをし、待避場所を設置することについてでございますが、ご質 問の市道勝場2号線は、延長約306メートル、幅員約2メートルから3メートルで、市道松部吉 尾鵜原線から鵜原海水浴場へ通じる狭隘な道路であります。車の対面通行ができないことから、 夏季期間だけでも一方通行にできないか検討をいたしましたが、近隣住民の方々のご理解が得 られなかったものであります。この市道に並行して流れております崖塚川の一部を暗渠化して 待避場所を設置することは可能と考えますが、事業化に当たっては、まずは地元で十分協議さ れ、待避場所の位置及び区間などを記入した要望書を区長名で提出していただければと思いま す。市といたしましては、要望書を精査し、緊急性や必要性、事業効果等を総合的に判断して まいりたいと思います。 4点目の本市4カ所の海水浴場に流入する河川の汚濁と異臭の状況及び砂による河口の閉塞 状況についてであります。まず、河川の汚濁と異臭の状況についてでありますが、本市の4カ 所の海水浴場に流入する河川は、中央海水浴場には墨名川、浜勝浦川及び春日台川、鵜原海水 浴場には崖塚川、仲川、苗代川、鵜原西ノ谷川、守谷海水浴場には守谷川、興津海水浴場には 興津東川、坪田川、養老川、塩田川がありますが、このうち毎年度水質調査を実施している河 33 川は、中央海水浴場で墨名川と浜勝浦川、鵜原海水浴場で仲川と苗代川、守谷海水浴場で守谷 川、興津海水浴場で興津東川と坪田川のみであります。 水質調査の生化学的酸素要求量及び溶解酸素量につきましては、浜勝浦川を除いて、いずれ も基準値以下でありました。 なお、異臭につきましては、調査項目にないため、不明でございます。 また、砂による河口の閉塞状況でございますが、先ほどの河川のうち、河口に砂の堆積が見 られたのは、春日台川、鵜原の4河川及び守谷川でありました。いずれの河川も南向きに河口 が広がっており、水流も弱いため、南風が吹くたびに河口に砂が堆積してしまうものであり、 これまで幾度となく砂の撤去を実施いたしましたが、一たび風が吹くと元に戻ってしまう状況 であります。 5点目の漁港敷地内の安全確保に係る基本方針等についてでありますが、市が管理する漁港 については、漁港管理条例を定めて管理に努めているところであります。ご質問の漁港敷地内 の安全確保につきましては、条例に基づく適正管理の一環として、日常点検はもとより、施設 の機能維持や安全対策を目的とする維持補修工事を実施しているところであり、基本方針等は 定めておりません。 なお、従来から風水害や浸食に伴う土砂崩落のほか、高波により護岸等が被災した場合、直 ちに注意喚起の看板を設置するなど、事故防止の対応を図っております。今後とも、漁業者は もとより、釣り客など、漁港に訪れる方に対する安全も踏まえ、引き続き適正管理に努めてま いりたいと考えております。 次に、市内津波避難訓練の実施計画について申し上げます。 1点目の昨年度の津波避難訓練の参加状況と今後の課題及び改善点についてでありますが、 参加状況から申し上げますと、昨年10月29日に、市内沿岸全地区において津波の一斉避難訓練 を実施し、768人の参加がございました。今後の課題と改善点ですが、訓練の参加率が約6%と、
    まだまだ防災・減災に対する意識が低く、その要因の一つとして災害心理学で問題となってい る、この場所は大丈夫、自分は大丈夫などと考えてしまう人間の心理的な傾向で、いわゆる正 常性バイアスが働き、逃げおくれてしまう状況があると言われております。このような状況を 少しでも減らすためにも有効なものが訓練であり、訓練を重ねることで、いざというとき自然 にいつもと同じ行動をとることができる、訓練と同じ行動をとることで身を守れることから、 今後も広報や回覧など、さまざまな機会を通じて訓練の大切さをご理解いただけるよう周知に 努めてまいりたいと考えます。 2点目の本年度の津波避難訓練計画と取り組みについてでありますが、来る10月28日、日曜 日に、市内の沿岸部地区を対象とした一斉津波避難訓練を行い、その後、芸術文化交流センタ ーキュステにおいて、初期消火訓練や救急法訓練、AEDを使用した心肺蘇生法訓練などを行 う予定でございます。また、あわせて、夷隅広域消防本部による、地震体験車や煙体験ハウス、 防火衣の着装体験、消防車両の展示などの消防フェアの開催を予定していることから、各区へ 回覧等で周知を行い、多くの参加を期待するものであります。 以上で、照川議員の一般質問に対する私からの答弁を終わります。 なお、教育に関するご質問につきましては教育長から答弁がございます。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁の途中でありますが、11時15分まで休憩いたします。 34 ──────────────────────── 午前11時03分 休憩 午前11時15分 開議 ○議長(岩瀬洋男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、岩瀬教育長。 〔教育長 岩瀬好央君登壇〕 ○教育長(岩瀬好央君) 皆さん、こんにちは。よろしくお願いします。それでは、ただいまの照川 議員の一般質問にお答えします。 学校防災教育についてお答えします。 小中学校における防災教育について。1点目の昨年度に実施した地震・津波対応訓練の実施 回数と訓練の内容についてですが、小中学校では2回から4回の避難訓練が実施されました。 各学校の避難訓練の回数ですが、上野小学校が2回、興津小学校が3回、勝浦小学校が3回、 豊浜小学校が4回、総野小学校が2回、勝浦中学校が2回の実施です。訓練の内容については、 授業中に地震が発生し、1次避難場所から、2次避難場所への移動訓練、また、登下校時に発 生した地震を想定しての避難訓練などが行われました。 2点目の講演会実施の経緯と語り部の話を聞いた生徒や職員等の反応ですが、まず実施の経 緯は、教育委員会担当者が、東日本大震災で被災した、当時小学生だった児童がその体験と思 いをつづった「16歳の語り部」を読み、勝浦の子どもたちに話を聞いてもらおうと企画いた しました。 児童生徒の反応ですが、感想文からは、勝浦にいつ地震・大津波が来てもおかしくないとい う危機感、そして、地震や津波に対する備えの重要性を認識した児童生徒が多く見られました。 また、被災してもたくましく生きる姿に感銘を受け、今後の生き方に影響を受けた児童生徒も 多く見られました。 災意識が高まりました。 られました。 職員の反応についてですが、教員として、改めて子どもの命を守ることの重大さを受けとめ、 危機感を新たにし、最悪を想定した心構え、訓練が重要であると再認識するなど、教職員の防 また、勝浦中学校においては、生徒の感想を家庭に持ち帰り、保護者からコメントももらい ました。その中には、家族で津波避難や防災について考える機会になったとの感想が多く寄せ 次に、これを起点に今後の防災教育にどのように生かしていくのかについてですが、教育委 員会といたしましては、この行事を起点に学校と連携して事業を推進してまいりたいと考えま す。具体的には、市内小中学校で統一して、毎月10日を「学校安全の日」と設定をいたしまし
    た。災害安全、交通安全、生活安全の3つの領域から、児童生徒に学校の実情に合った安全指 導を行う計画です。また、この学校安全の日には、各学校と教育委員会に整備してあります非 常用無線機による通信訓練も新たに実施する計画です。 さらに、市教育研究会との連携を推進していきたいと考えます。今年度は、教育研究会の安 全部会を研究指定いたしました。市内の小中学校の安全主任で組織される安全部会は、今年度 3回の協議会を開催いたしました。この8月には、防災教育という観点から、市からの補助を 受け、安全部会の代表者2名が1泊2日で宮城県、岩手県に県外研修に行きました。1日目は、 35 宮城県石巻市の大川小学校を視察研修いたしました。現地で案内をいただいたのは、語り部講 演会で案内役を務めていただいた佐藤敏郎氏です。2日目は、釜石の奇跡と言われた岩手県釜 石市鵜住居地区を研修視察いたしました。釜石市教育委員会及び釜石東中学校の職員から研修 を受けてきました。この研修視察については、1月に実施予定の市教育研究会全体研修会で報 告されます。市内教職員のさらなる防災意識の向上につながることと考えます。 さらに、市校長会においても、語り部講演会を受けまして、この夏期休業中に石巻市立大川 小学校の研修視察を実施いたしました。この研修視察についても、語り部講演会がきっかけと なり、大川伝承の会の代表者に協力をしていただきました。学校の最高責任者である校長自身 の防災意識がさらに高まったとの報告を受けております。 今後も教育委員会といたしましては、学校、市総務課と連携して防災事業を推進してまいり たいと考えております。 以上で、照川議員の一般質問に対する私からの答弁を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 市長、教育長、ご答弁ありがとうございました。勝浦漁港の市場整備につ いての経過と状況の概略を把握できました。私、3年前に市場視察をしたときに、その老朽化 の状態を見て、安全面、衛生面、大きな問題があるということを肌で実感いたしました。とと もに、その市場の中で関係者が効率よく作業を進めていることに驚きました。計画が進展する まで長い年月がかかり、まだまだ内部の課題は解決されていませんが、一定の合意が図られ、 本市の漁業発展を願って市場整備に動き出したことを感慨深く思います。 再質問の1点目です。本年中に変更案の国の承認を得られるよう、事業規模、建設年次の変 更等、検討会で思案中とのことでしたが、検討会の構成メンバーは、新勝浦と勝浦の両漁協と 市、そしてオブザーバーとして県水産局とのご答弁だったと思うんですが、このメンバーかど うか、まずこの点を確認いたします。 また、着工に当たっては、工事期間中であっても、市場機能を停止するわけにはいかないん じゃないかと思うんですが、日々操業しながら工事を進めることになるのではないかと思われ ます。どんな方法で行うのか、これは検討中と思いますので、市場建設にはどんな方法がある のか、この2点をあわせてお伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。平松農林水産課長。 ○農林水産課長(平松 等君) お答えいたします。1点目の会議の構成でございます。市長答弁で もありましたとおり、両漁協と市、オブザーバーとして県の水産局の同席を求めているところ であります。実際に出席メンバーについて私のほうから申し上げますと、検討会におきまして は両漁協で組合長、参事、作業部会におきましては参事と総務課長に出席をお願いしておりま す。市の立場といたしましては、事務局も兼ねながら、議事進行の役割に担っております。 続きまして、市場整備の具体的な内容、中でも、操業しながら工事を進めることについてお 答え申し上げます。議員ご質問のとおり、市場運営をしながら整備工事を進めるのは、一つの 課題と捉えております。中でも、盛漁期における工事の対応は、今後の検討の一つと位置づけ ております。そうした中、勝浦漁協側で、今現在、施設整備の基本設計に取り組んでおりまし て、検討会、作業部会で、その経過の報告を受けながら、詳細な検討を進めているところで ります。 36
    近日中には、国の補助金を活用するということで、その補助金の兼ね合いも見まして、県の ほうに関係者が出向きまして、事前相談を行う予定であります。相談の内容といたしましては、 現時点における工法ですとか工期の関係が、国庫補助の観点、建築基準法等の観点にそぐうか どうかの事前相談を行う予定であります。現時点については、この場でお示しする内容はござ いませんが、今後、県並びに国との協議を経ながら、工法、工期等、詳細について決定する予 定であります。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 聞き逃してしまったのかもしれないですが、1点目について、メンバーの 中に仲買の鮮魚商は入っているって言いましたっけ。ちょっとお伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。平松農林水産課長。 ○農林水産課長(平松 等君) お答えいたします。設置してございます検討会並びに作業部会に鮮 魚商の方の参加はございません。そのかわり、勝浦漁協側で、組合内部の組合員方の協議と わせ、別途、鮮魚商との意見聴取ですとか、意見の協議、そういうものを経ている、このよう に聞いております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 了解しました。もし、今話されたような方法で行うとすれば、着工から竣 工まで長い期間を要すると推察されます。その期間、市場関係者、工事関係者、市場に出向く 市民の安全に特段の配慮が必要になると思います。漁業組合統合につきましては、かつて、水 産庁は、地域統合、1郡1漁協を図った上で、1県1漁協を目指していたと聞いています。そ の手前で1市町村1漁協が推進され、太東と大原、御宿と岩和田は合併しました。近隣は進ん だものの、本市においては、いまだ厳しい現状であるということ。今回のご答弁にありました、 市場整備の根底にある将来的な組合の合併という将来が、本市の漁業振興に向け、近い将来に なるよう努めてほしいと要望します。 次に、漁業の担い手支援対策ですが、漁船リース緊急事業の利用者は、27年から4名、そし て今年6件審査がある、大変利用しているというご答弁でした。国のTPP対策でもあって、 緊急対策と言うからには、今後打ち切られることが懸念されますが、国の状況はいかがか、わ かりましたらお答えください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。平松農林水産課長。 ○農林水産課長(平松 等君) お答えいたします。漁船リース事業でございます。現在、国の各省 庁では、国の来年度予算編成のために、概算要求を取りまとめ、先月末にこれを終えたところ であります。過日の報道によりますと、水産庁における概算要求の方針が示されまして、漁船 リース事業の内容の対応につきまして申し上げますと、これまで緊急対策として、その性質か ら補正予算の対応をしておりましたが、全国の沿岸漁業者からの強い事業要望を受けまして、 来年度につきましては、当初予算に計上するよう、水産庁の方針が示されております。ご質問 のありました事業の継続性でございますが、当初予算に計上することで、この事業の継続性が 期待できるところであります。 また、当初予算に計上するメリットを申し上げますと、補正予算ですと、その成立時期が不 確定となっております。国会の審議の動向によって漁業者の申請の時期が流動的になりますと、 例えば、年齢要件55歳ぎりぎりの方が国会審議の動向によって年齢要件を外れるということも 37 あったと聞いております。こうしたことから、当初予算でその執行の時期が明確となりますと、 補助を受けられなくなったケースも少なくなるのではないか、こういうメリットを考えており ます。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) ありがとうございます。担い手にとって、まさに助け船であるこの事業が、 将来的にも確実に成立できるように、補正予算ではなくて、当初予算を期待できるということ ですので、その計上が続けられるよう働きかけてほしいと、要望します。 次に、漁業担い手対策等で、市として今後力を入れていくことは何でしょうか。端的にお聞 かせください。
    ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。平松農林水産課長。 ○農林水産課長(平松 等君) お答えいたします。担い手対策といたしましては、これまでの事業 の継続を図ってまいるとともに、新たな取り組みとして、直接的な支援とは異なりますけれど も、マカジキのブランド化を進めてまいりたいと考えております。この取り組みにつきまして は、はえなわ漁を営みます若手漁業者からの直接要望を受けたものであります。具体的な取り 組みは昨年度から始めておりまして、2月17日に、築地市場に隣接します築地魚河岸という施 設におきまして、漁業者参加のもと、築地の仲卸業者、つまり築地の魚のプロに対しまして、 マカジキの試食会を行いました。イベントの名称は「スゴ腕漁師が振る舞う試食会」と命名し まして、結果といたしまして、仲卸業者126者の来場がございました。 こうした実績を踏まえまして、今年度ですけれども、さらに発展的な取り組みを考えている ところでありまして、今年度につきましてもPRイベントを拡充させようと、このような考え でおります。昨年度につきましては行政と漁業者連携でやりましたが、次回につきましては、 鮮魚商の方々のご意見も入れながら、今現在、協議を行っているところであります。以上、マ カジキのブランド化を今後力を入れていきたい。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 漁業関係者や若い担い手のためにも、漁業に魅力を感じるような浜づくり をしてほしいと願っています。このマカジキのブランド化もその一つかなと思います。増収、 副収入が得られるような事業等の展開を支援してほしいと願っています。 ここで観光課長にお伺いします。観光計画にも観光資源の掘り起こしというものがあるんで すが、例えば今出てきたマカジキのブランド化を進めようとした場合、観光商工課は、事業過 程でどんなかかわりが考えられますか。お伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。高橋観光商工課長。 ○観光商工課長(高橋吉造君) お答えいたします。勝浦のマカジキのブランド化を進めようとした 場合、観光商工課の立場としてできることとして、まず考えられることは、勝浦のマカジキを 広くPRすべく努めることでございます。さらに、マカジキを活用したみやげ物の開発、さら に、地元飲食店や宿泊施設などで、マカジキを売りにした料理などを提供することによる観光 客の誘致が図れるよう、各種団体に働きかけることが、こちらとしては可能であるというふう に考えております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) なるほどと思いました。この例をあわせ考えると、農林水産課と観光商工 38 課が計画段階から連携して仕事を進めれば、効率よく、結果も充実したものになるのかなと思 います。一つの事業を成功させるために複数の部署が連携し合っての取り組み、今後これをや ってみてはどうかなというふうに考えます。次の漁村観光の推進にかかわる課題において、各 課連携の重要性を再認識していきたいと思います。 漁村観光ですが、勝浦市観光基本計画と観光拠点施設整備実施計画の中には、うみの拠点と して、鵜原、吉尾・松部が指定されて、多彩な海洋観光推進における戦略的な施策が示されて おりまして、まず、15年前にこのような計画ができていたのかと驚きました。 鵜原駅から港にかかわる計画の内容の一部を申し上げますと、駅・国道からのアクセス道路 の整備、鵜原駅前のサイクリングターミナルの設置、松部港から鵜原港の遊覧船の活用、勝場 港におけるマリンテラス、ホテル、シーフードレストランの建設、長入港におけるダイビング センター、直売所の設置、吉尾漁港の体験漁業の導入など、数多くの事業、観光地づくりが整 備手法とともに丁寧に示されて、地図とともに掲載されていました。 そこで、観光商工課長に質問します。先ほどの市長答弁にありましたとおり、計画では鵜原 地区及び吉尾・松部地区の観光資源を関連づけることによる観光地としての魅力を大きくして いくことを基本方針とし、理想郷ハイキングコースの整備や漁港の活用などを推進するという ふうにしています。既に実施している事業や実施できない事業もあると思いますが、改めてう みの拠点として鵜原地区及び吉尾・松部地区の観光振興策を考えていく上で、今現在において 具体的なお考えがあるのか、お聞かせください。
    ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。高橋観光商工課長。 ○観光商工課長(高橋吉造君) お答えいたします。観光基本計画や実施計画につきましては、これ までも見直しの検討がなされてきていますが、今後につきましては、現在の状況や、これまで 検討されてきました見直しの内容を踏まえ、うみの拠点としての鵜原地区及び吉尾・松部地区 の観光振興を考えていきたいと思っております。 具体的な考えといたしましては、現在、一般社団法人勝浦市観光協会を中心に進められてお りますDMOの方針、地域の稼ぐ力を引き出すとともに、地域への誇りと愛着を醸成するよう な観光地経営の視点に立った観光地づくりにつながるような事業を実施するような形で、例え ば、理想郷散策や、海中公園、海の博物館の見物などや、鵜原区が今実践しております地びき 網体験、漁船遊覧などを活用しました、旅行商品の開発による観光客の増加を図るようなこと ができればいいなというふうに考えております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 地域の稼ぐ力というのが増して、体験的商品とか、そういうところに結び つくといいかなと、そういう支援をしていただきたいなと願っています。 次に、農林水産課長と観光商工課長に質問いたします。実施計画の中で記載されているダイ ビング施設と直売所の整備支援は、漁村観光振興や漁業の担い手支援等で鍵になると思います が、その点いかがお考えか、お伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。平松農林水産課長。 ○農林水産課長(平松 等君) お答えいたします。ダイビング事業でございますが、新勝浦市漁協 におきましては、将来的にダイビング事業の拡充をしたいと、このような意向がある旨、聞い ております。高齢化や後継者不足を踏まえますと、漁協の経営基盤強化に、この事業は効果的 39 であると、私のほうも認めておるところであります。したがいまして、このダイビング事業に 対しまして、市農林水産課として、どのような支援、協力の方法があるのかどうか、今後検討 してまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) 次に、高橋観光商工課長。 ○観光商工課長(高橋吉造君) お答えいたします。ダイビング施設、直売所の支援整備につきまし ては、こちらとしては、国、県の補助金などを活用して整備支援が可能であると考えておりま す。例えば、県の補助金であります観光地トイレ整備スピードアップ事業につきましては、ト イレに限っていることなんですけれども、多くの観光客が利用する観光公衆トイレのうち民間 企業等が所有するトイレの整備にかかる経費を一部助成するものでございまして、補助限度額 は500万円、補助率4分の3以内であります。その他、このような補助金を活用して整備の支援 ができるようになればというふうに考えております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 勝浦ダイビングリゾートは、現在、漁協の資材倉庫や冷蔵庫を模様替えし て使用しています。トイレ、休憩所等を整備するための支援をすれば、リピーターも増えて、 勝浦の観光を支えていく事業になると思われます。この点について詳しくここでお話をしたか ったわけですが、時間があと14分というところで、先に飛ばしていきたいと思います。 3点目の観光振興における道路整備対策についてですが、市の基本的な取り組み方針につい ては了解いたしました。現在、東側海水浴場への勝場2号線の海側は、ここ数年で大きく様変 わりして、大小合わせて130台分の駐車場ができて、夏の3週間は、すれ違いに大変苦慮する市 道となってしまいました。どこから車が来るのか、どの時間が危ないのか、この夏の最盛期に 調査したところ、関東近県だけでなくて、北海道から沖縄まで全国から来て、大使館の青ナン バーもおりました。午後3時から4時が交通量のピークという結果でした。 かつて、ここは海水浴場への市道整備強化で、現在の勝場2号線から10メートル離れた道に 橋がありまして、川があるわけですが、川全体を塞いで、現在の2号線と合流するという、そ ういう計画案があったと、これは周囲の人たちから聞いております。そうしますと、入り口と 出口を分けることができまして、安全性が高まると考えたようです。これがアプローチルート という、この計画案の中のその一つではないかなと思うんですが、しかし、今の状況を考えた
    場合、川を一部塞いで待機場所をつくるということが最も現実的な方法であるというふうに思 われます。地区は、ご答弁にありましたように、方針に基づいて、今後要望していくと考えま すが、市道における事故防止を目指して、格段の工夫とご配慮をお願いいたします。 道に続いて、川の問題です。鵜原海岸は、連接する守谷海岸と合わせて日本の渚百選に選ば れていますが、海に注ぐ川の状況は決してよいものではなくて、漁業面、観光面においては、 果たしてこれから先、海を守れるのかという危機感を強く持ちます。4つの海水浴場に注ぐ9 つの河川について調べたという、その水質は基準内であっても、汚濁、異臭が確認されている 状況については、調査して、記録して終わりにせず、課題に向けてのアクションが必要である と思います。目視で油が流れ込み、汚濁が増している川は、ご答弁にあった状況より多いので はないかと思います。この夏、砂で河口が封鎖されて汚濁、異臭が増した無名橋の中の川とか、 勝浦の中央海岸に流れ込む河川の状況は、ここ数年よくなっていないというふうに見ておりま す。 40 そこで、排水対策として、油対策の取り組みが必要だと思います。廃食油の回収について、 2年前に先輩議員が質問しているわけですが、それから各地にそれは広がっているのか。飲食 店における廃油はどのように回収しているのか。今後、廃食用油ステーションを増やしていく 必要があると思うんですが、いかがお考えでしょうか。まとめてお答えをお願いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。神戸生活環境課長。 ○生活環境課長(神戸哲也君) お答えいたします。まず、回収場所が各地に広がっているのかにつ きましては、2年後の現在におきましても、変わりなく4カ所で、位置も変わりありません。 また、飲食店における廃食油の回収でありますが、勝浦市が参加している事業体とは別の事 業体が、飲食店などを対象に定期的に回収を行っています。 次に、廃油ステーションを増やしていくということでありますが、まずは啓発を第一として、 その上で場所を増やしていきたいと考えます。この事業は平成26年12月の開始でありますが、 事前に全戸にチラシを配布し、市のホームページには随時掲載し、平成28年2月には、広報紙 で周知を図りました。その結果、回収量は年々増加しております。水質保全に効果があります ことから、より回収量を増やしていきたいので、まずは海や川の自然を守ること、そして、手 段の一つのであるこの事業を、広報紙による広報などで、さらなる啓発をしていきたいと考え ます。 廃油ステーションを増やしていくことについては、増やすことにより、周辺の意識がさらに 高まり回収量の増加が見込まれると考えますが、設置先へは、場所の提供や回収場所の管理な ど、ご負担をお願いすることになりますので、これをご了解の上で設置してくださる先があり ましたら検討してまいりたいと考えます。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 市民のほうも努力をしていかなくてはいけないと思います。その意識をど のように高めていくのか、お考えがありましたらお伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。神戸生活環境課長。 ○生活環境課長(神戸哲也君) 先ほど広報紙による広報ということでありましたけれども、水質保 全、まず排水対策として何が必要かということ、家庭の流しの出口からというところを盛り込 んでいきたいと思います。また、必要に応じては、ホームページなどでも、その辺随時いろい ろな情報を提供し続けていけたらと考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) 例えば、広報かつうら見開きで、イラスト等工夫して、ばんと市民にアピ ールするような、目に訴える紙面を考えていただくとか、そういうところでやっていってほし いと思います。 次の、砂による河口の封鎖状況ですが、今年の夏は危機迫る状況が発生しています。という のは、砂が堆積して、封鎖されて川の水位が増すわけです。台風等来たら、河口から離れた民 家のほうの浸水が懸念されました。この台風も私は心配でした。朝、どうだったのと言ったら、 水かさはそんなに増してはいないけれども、それでも脅威だというふうなことです。興津の川
    の状況と鵜原の川の状況というのはなぜ違うんだろうとか、見に行って率直に思うんですが、 この砂とごみとが逆流して堆積している、その近くの民家の人たちは、雨が降るたびに大変な 思いをすると思います。今期このような状況を解決していくためにはどうしたらいいか、対策 41 についてお伺いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。鈴木都市建設課長。 ○都市建設課長(鈴木克己君) お答えいたします。まず、鵜原地区の海水浴場付近の河川と興津海 水浴場付近の河川の大きな違いは、防砂堤や防波堤などの海岸保全施設が建設されているか、 いないかの違いではないかと考えております。この鵜原地区の海水浴場は、一部市管理のもの もありますが、海水浴場付近の海岸は県の管理の海岸となっております。先ほどの海岸保全施 設を建設するためには、管理者は県でありますので、県に要望をしていくことになると思いま すが、現在、県では、銚子県境から館山洲崎までの海岸について、千葉東沿岸海岸保全基本計 画を策定しており、これに基づきまして、被害からの海岸の防護、海岸環境の整備と保全、公 衆の海岸の適正な利用という、この3つの面でバランスのとれた総合的な海岸管理を目指して おります。また、これを実現するためには、海岸保全施設等の学識経験者や関係団体などを交 えた、地域住民からなる海岸づくり会議を開催し、地域の方々の意見を十分に反映することと なっております。このようなことから、海岸保全施設建設の要望を行う際には、まず事前に県 との相談を十分に行っていく必要があるものと考えます。しかしながら、これを実現するため には相当の時間を要することから、それまでの間、砂の堆積は待ってくれませんので、必要に 応じて、これまで同様、取り除いていく対症療法しかないのではないかと考えております。以 上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。照川由美子議員。 ○6番(照川由美子君) わかりました。浸水する可能性が高い場所とか、状況を調査して、河川沿 いの住民が安心して暮らせる対策を、これから講じてほしいというふうに要望します。 最後の、市内の津波避難訓練実施計画ですが、昨年の9月議会において、津波避難訓練への 小中学生の参加を申し入れて、承諾され、学校に周知されました。日曜日の朝8時に、中学生 は、避難訓練に参加してから部活動に参加するよう伝達されたと聞いたんですけれども、天候 不良のために延期された結果、子どもたちの参加はなかった。そして、昨年実施時は、この申 し入れが生きていなかった。この点につきまして、子どもたちが参加する、これは意義深いと 思います。10月の避難訓練に、大人だけではなくて、子どもたちも参加するよう、家族みんな でと呼びかけを強化することはできないかというのが1点。 最後に、教育長にお聞きしたいんですが、子どもたちの地元での参加についての教育委員会 のお考え、そして、勝浦の子どもたちを守る決意をお伺いして、私の質問を終わりにしたいと 思います。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。酒井総務課長。 ○総務課長(酒井清彦君) お答えいたします。10月28日に予定されております津波避難訓練に際し まして、大人だけではなく、子どもたちもと、また、その呼びかけをということでございます。 津波避難訓練については、家庭に子どもたちがいるときにも当然津波というのは起こり得ます。 そういった中で、いろいろ避難訓練する際には、その前に当然地震も来ます。当然地震が来た ときに、まず家の中で身を守るということを家族の中でちゃんと話し合って、皆さんの身の安 全が守れたときに、今度は津波が来るから避難しましょう。避難するときには水を持ちましょ う、食料を持ちましょう、そういったものを持つようなことを家族の中で話し合って、また、 役割分担を持っていくというのが私は非常に大切なことかなと考えております。このような中、 42 当日も、子どもたち、当然、中学校、小学校、部活等もあろうかとは思いますけれども、そう いったことも多少時間をずらしてでも参加できるように、今後、教育課とも協議してまいりた いと考えております。以上でございます。 ○議長(岩瀬洋男君) 次に、岩瀬教育長。
    ○教育長(岩瀬好央君) それではお答えします。まず子どもたちの参加についてでありますけれど も、これについては、今年度、特に語り部講演会、あるいは教職員においても、さまざまな実 情を見ておりますし、おおむね理解は得られるのではないかと思います。ついては、ただ、議 員もよくご存じのように、学校はいろいろな状況もありますので、今後、各学校、そしてまた、 こちらにも市のPTAの連協の会長もいらっしゃいますけれども、PTAともいろいろ協議し ながら、ぜひ、この点については前向きに検討していきたいと考えております。 また、子どもたちの命を守る決意ということでありますけれども、今回の講演会の言葉の中 に、一番思ったのは、子どもが家を出て、「ただいま」と言える、これが大事だ。勝浦の子ど もたちが学校に行って、そして元気に「ただいま」と言える。そのためには、子どもたち自身 も、自分の身は自分で守るというところを前提に、これは学校だけではなくて、教育委員会、 学校、そして保護者の方、そしてまた地域全体が、そういった子どもたちをつくる、あるいは 子どもたちがそういったことを考える環境をみんなでつくっていく、そういったことをしてい ければと思います。そのためには皆さんのご協力も必要でありますので、ぜひよろしくお願い いたします。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) 午後1時まで休憩いたします。 午前11時58分 休憩 ──────────────────────── 午後 1時00分 開議 〔16番 末吉定夫君入席〕 ○議長(岩瀬洋男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 次に、岩瀬義信議員の登壇を許します。岩瀬義信議員。 〔15番 岩瀬義信君登壇〕 ○15番(岩瀬義信君) 皆さん、こんにちは。会派、勝寿会の岩瀬でございます。今回は、市長の政 治姿勢についてお伺いいたします。市長の明快な答弁をお願いしたいと思います。 さて、光陰矢のごとしとか、時の流れは早く、猿田市長が就任されて、はや7年がたちまし た。初めは、東日本大震災の、いわゆる3.11の直前、4人の大激戦を制し、市長に当選された 故山口和彦市長を補佐してもらいたいということで、本市の有力者の間で協議し、特に私が主 張しましたが、猿田氏が副市長として最適任であるとして、ある意味、無理して勝浦に来てい ただきました。しかし、その後、不幸にも山口市長が体調を崩され、平成23年6月に、志半ば で急逝されたわけであります。そこで、急遽、山口和彦後援会を初め、森代議士、小高県議と も協議をし、私も積極的に支持したわけですが、猿田さんに市長選に出馬してもらいたいとお 願いをし、現在の猿田市長が誕生したわけであります。 猿田市長は、県の商工労働部長や県下市町村全体を指導する立場の市町村課長などの要職を 歴任されてきた、まさに行政のプロであります。これまでの7年間、スピード感をもって取り 組む姿勢のもと、我々の想像を超える働きで次々と実績を積み上げてこられましたことは、皆 43 さん既にご承知のことと思います。 私が最初に印象に残っておりますことは、山口市長が当選された市長選の大きなテーマで りました、鵜原地先の産業廃棄物最終処分場の建設阻止でありました。猿田市長が勝浦に来ら れてから、残土条例をつくり、直ちに県へかけ合い、知事への産廃処分場建設申請をすぐ却下 に導いた行動力には、地元鵜原区はもちろん、私も、ただただ驚き、感心したものでありまし た。 そして、勝浦中学校体育館の新築を初めとした、小中学校5つの体育館の耐震改修、給食セ ンターの建て替え、芸術文化交流センターの建設、勝浦駅のエレベーター設置、小さな子ども さんを持つ親御さんから要望の多かったと言われていた公園の設置については、いち早く興津 ミレーニアの広大な芝地を公園として無償で借り受けるとともに、勝栄館跡地に潮風公園を、 それもほとんど一般財源を使わず、国の交付金事業等をうまく活用し、実現されました。 これまでの勝浦市の歴史にない、今後もまずないだろうと思えるほどの数々のプロジェクト を、ほんの数年のうちに、ことごとく完遂され、その政治手腕の高さは、多くの市民が認めて
    いるところではないでしょうか。 また、最近においては、市制60周年という記念すべき年に、NHKのど自慢を、市長の尽力 でNHKと交渉され、40年ぶりに開催でき、多くの市民が楽しまれるとともに、全国に千葉県 勝浦市をPRすることができました。 企業誘致、雇用の確保では、ベイシアの誘致や、清海小学校跡地へパクチーの誘致を実現さ れ、子育て、教育振興の面では、現在、認定こども園の建設や、勝浦中学校のプール建設も進 めております。 ていることか。 さらに、市長は、ふるさと納税にも果敢に取り組まれ、大胆な発想により地域振興券の発行 を断行し、地域産品の返礼による本市へのふるさと納税が、いかに市内に経済効果をもたらし また、旧行川アイランド跡地への宿泊型リゾート構想も、先月末、県の環境審議会・自然環 境部会で了承され、これからいよいよ建設に向けて進むことになります。皆さんもご承知のこ とと思いますが、行川アイランドが閉園する話が出た当時、行川アイランドの倒産は、これは 勝浦市滅亡の前兆だ、起死回生の反撃作戦をと、官民一体で行おうと、市民有志が1万5,000人 にも及ぶ署名を集め、存続運動が展開されました。しかし、私たちの1万5,000人の叫び、願い は当時の市長には届かず、平成13年に閉園となり、長年手つかずの状態が続いておりました。 地元では、閉園以来、次は行川アイランド駅が閉鎖されるのではないかと、皆さんも随分心配 しておりました。そのためにも再開発を地元の者は望んでいるわけです。 そこで猿田市長は、土地所有者である共立メンテナンスが再開発を考えているとの情報を得 ると、何度も本社を訪ね、オーナーに対し、早期の事業着手を直談判されました。その成果が、 今回の事業承認につながったのではないでしょうか。 一方、総野地区が前々から待ち望んでいた、国道297号松野バイパスの2期工事区間も、来年 3月の竣工に向けて、着々と工事が進んでおります。このバイパス工事は、平成元年の事業着 手以来、既に30年が経過しておりますが、この間、道路用地の問題がこじれ、平成14年から約 10年余りも工事が中断しておりました。猿田市長は、現在の狭隘な国道を通学路としているこ ども部たちの安全を、何とかして早く確保しなければと、就任直後、県土木事務所に工事の再 44 開を強く要望され、地元説明会へも市長みずからが出向いて地権者を説得されました。このよ うな積極的な行動力が県を動かし、ついに平成24年、工事の再開に至ったわけであります。 このように、市長の実績を掲げると枚挙にいとまがありません。市長が就任以来、約7年間 が経過しましたが、これまでの市長の取り組みが、いかに勝浦市を前進させたか、また、市経 済も活況を呈してきているか、市民の多くが猿田市長の市政運営に満足していると私は考えて おります。猿田市長は、沈滞ムード漂った勝浦市に活を入れた、元気を取り戻してくれた市長 であると、私は思います。 そこでお伺いしたいのは、この7年間、市長として、どのような心構えで市政のかじ取りを してこられたのか。また、将来の課題や構想もいろいろと見えてきていると思いますが、これ までの実績を見たとき、これらの課題を克服していただくには、私は猿田市長しかいないと思 います。つきましては、来年7月に任期が来る現時点において、少し早いとは思いますが、来 期の市長選に再度挑戦すべきと私は思いますが、市長のご見解、ご心境をお伺いします。 以上で、登壇しての質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) 市長から答弁を求めます。猿田市長。 〔市長 猿田寿男君登壇〕 ○市長(猿田寿男君) 本日は大勢の皆様方が傍聴に来られております。皆様、ご苦労さまでござい ます。 それでは、ただいまの岩瀬議員の一般質問に対してお答え申し上げます。 市長の政治姿勢というご質問でございます。先ほど岩瀬議員からお話しありましたように、 私も、市長に就任して以来7年が経過いたしました。ただいま岩瀬議員からも、これまでの私 の政策や実績等について、ご評価のお言葉もいただきました。お話しにありましたように、故 山口和彦市長の急逝に伴い、山口市長の公約を引き継ぐ形で、全身全霊、無我夢中で市政運営
    に取り組んでまいりました。 振り返ってみますと、岩瀬議員から話がありましたけれども、これまで、鵜原の産廃問題を 初め、ハード事業としては、勝浦駅のエレベーターの設置、給食センターの建設、芸術文化交 流センター、キュステの建設、防災対策として、小中学校の体育館を中心とした耐震工事、特 に勝浦中学校体育館の改築工事、津波対策として、42カ所の緊急避難路の設置と、現在進行中 でございますが、津波停電に備えた夜間照明の設置、それから、県事業でございますが、約10 年近くストップしていた松野バイパスの建設を県にお願いしまして、松野・杉戸間の第2工区 の建設をスタートさせ、いよいよ来年3月に第2工区は完成する予定です。また、元勝浦有料 道路料金所跡地付近の国道297号と128号の交差点改良、それから、公園として、興津ミレーニ アにくぼやま公園を、勝栄館跡地へ潮風公園をそれぞれ設置いたしました。保育所、小中学校 の再編でございますが、保育園を7園から3園に、幼稚園は認定こども園に再編をいたします。 中央保育所と勝浦幼稚園の幼保連携型の認定こども園の建設がこれから始まります。さらに、 清海小と上野小の統合、郁文小と勝浦小の統合、勝浦中・北中・興津中3校の統合、これに伴 いまして、勝浦中学校にプールの建設をこれから行います。それから、教育関係では、教育大 綱を整備いたしまして、ハードとして、各学校のトイレを洋式化いたします。それから、無線 LANの整備を行います。次に、土地改良事業の推進として、名木木戸、大森、大楠各地区の ほ場整備事業を推進をしております。近々、名木木戸地区は、国の採択を受け、正式な県営ほ 45 場整備事業としてスタートいたします。また、ソフト事業としましては、一つは、こども医療 費の中学3年までの完全無料化、それから、学校教育では、ソフトとして、学校用務員の配置、 ALTの増員、学校教育指導員の増、学校の図書費の3倍増ということを行いました。それか ら、元勝浦若潮高校跡地へベイシアを誘致いたしました。それから、元行川アイランド跡地へ の共立メンテナンスによる、ホテルを中心とした宿泊型リゾート施設の建設支援などなど、多 くの事業についてかかわり推進してこられたと、改めて感慨深く思う次第です。 私は、市長就任時の心構えとして、多くの市民の皆様の意見や、議会、市職員の意見・考え 方をお聞きしながら政策に取り組もうと考え、市長への手紙や市民会議などのシステムの創設 を図りながら、スピード感をもって市民福祉の向上やきめ細かいまちづくりに取り組んできた ところであります。 ております。 先ほど述べました具体的事業の推進には、当初、多額の予算が必要であろうとの課題もあり ましたが、アベノミクスの3本の矢の一つであります機動的な財政出動や、県の支援、さらに、 ふるさと納税制度にも支えられ、健全財政を維持しながら、何とかここまで実現できたと思っ 本市は、昭和33年10月1日に、県下18番目の市として誕生いたしました。市の総合計画に掲げ る基本目標は、「海と緑と人がともに歩むまち“元気いっぱいかつうら”」です。風光明媚な 景観を持ち、水産業や観光、農業、武道大学を持ち、多彩な顔を持つ勝浦市のポテンシャルは 大変大きなものがあります。しかしながら、近年、予想されていたとはいえ、人口の減少が、 日本全体はもちろん、本市においても残念ながら進んでおり、特に子どもや若年層の減少が顕 著です。このため、平成27年に地方創生総合戦略の計画をつくり、本市の人口の減少幅を少し でも縮めるべく、現在努力しているところです。 私は、地方創生計画にも書かれておりますように、本市に必要な要件として、特に、産業振 興、企業誘致を図りながら、就業支援による働く場の確保や、観光による交流人口の拡大、子 育て・教育環境の向上と充実が必要と考えております。 そこで、元清海小学校跡地へのパクチーの誘致や、元若潮高校跡地へのベイシアの誘致を初 め、道の駅の実現、元行川アイランド跡地への宿泊型リゾートホテルを中心とする勝浦シーサ イドリゾートの推進が必要であり、これからも今ある企業のさらなる振興や、新しい企業の誘 致にも努めていかなければならないと思っております。 観光による交流人口の拡大、また、移住・定住の促進も含めて、本市としては、多くの方々 に本市を訪れてもらい、本市にお金を落としてもらうことが大事であります。 地方創生は、人口減少対策はもちろんですが、究極は、その地域の勝浦市民の平均所得が上
    がり、市民が豊かになることが目的であると思っております。 また、子育て・教育環境の向上と充実も重要であり、本市の若いお母さんたちが、勝浦は子 育てしやすいので子どもを産もうということにつながる政策も大事です。 このように、これからの本市の進むべき方向や課題もいろいろとありますが、市の総合計画 や地方創生計画に基づき、粘り強く、スピード感を持ち、方向性を誤らないよう配慮しながら、 計画にある政策を進める必要があると思っております。 特に、当面やり遂げなければならないものとしては、具体的に市民が切望している元行川ア イランド跡地の宿泊型リゾート構想の実現、総野地区における道の駅の実現、上野地区のほ場 46 整備事業の推進、キュステ建設時の野球場の代替として北中跡地へ硬式野球が可能な野球場の 建設など、現時点での将来の課題があります。 以上、るる私の考え方を述べさせていただきましたが、このような考え方に市民の皆様がご 賛同いただけるならば、少し早いですけれども、来年7月の次期市長選にチャレンジしたいと 思っております。 以上で、岩瀬議員の一般質問に対する私からの答弁を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。岩瀬義信議員。 ○15番(岩瀬義信君) ただいま猿田市長から、3期目にチャレンジするという答弁をいただきまし た。今さら私が申し上げるまでもなく、猿田市長の明るく、気さくで、親しみやすい性格は、 これまで多くの人々を引きつけてこられました。県庁時代の部下職員には、今もって慕われて いるようで、ビッグひな祭りやカツオまつり等のイベントの際には、よく家族連れで訪れてく れているようであります。また、国会議員や県会議員はもとより、千葉商工会議所や県下21 る商工会議所の連合会の専務理事を努めていたということから、各種団体や企業のトップなど、 幅広い業界の方たちとの交流が深く、皆さんが猿田市政を応援してくれていることは、私自身、 いろいろな集まりの場で、市長の周りを囲んでいる顔ぶれを目の当たりにして実感していると 以前、私が勤めていた職場の役員から、「岩瀬さん、猿田さんは県内の市町村長の中で一番 顔の広い、人脈の広い首長と評判ですよ」と言われたことがありました。このようにたくさん の人が応援してくれている猿田市長の人徳は、勝浦市にとって大きな推進力であると私は思い ころであります。 ます。 先ほど猿田市長は次なる夢を語ってくださいました。多くの市民が、猿田市長なら間違いな く、この勝浦市をさらに発展させてくれると期待を寄せているわけであります。 市長から、次期市長選にチャレンジしたいと思っているとの答弁をいただきましたが、今日 は、こうして多くの皆さんが傍聴に来てくださっております。報道機関の方も見えております。 猿田市長、皆さんの前で、チャレンジしたいと思っているではなく、必ず次もやる、たとえど んな対抗馬があらわれても、不退転の決意を持って戦うと、はっきりと表明していただければ と思います。くどいようで恐縮ですが、確認の意味で、もう一度、市長の強い決意を聞かせて ください。お願いします。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。猿田市長。 ○市長(猿田寿男君) 再質問にお答え申し上げます。岩瀬議員から、私のこれまでの経歴等の話が 出て、県庁時代、また、千葉商工会議所の話をしてくれました。私は、県庁時代、非常に恵ま れているといいますか、最後は県の商工労働部長を務めました。商工労働部長というのは、県 下の経済界、それから観光部門も所掌しておりますので、観光業界、それから労働団体など、 非常に幅広い分野の皆さんとおつき合いをさせていただきます。県もいろいろな部長がいます けれども、商工労働部長は一番なりたいという希望があるところでございますけれども、そう いうセクションをやらせていただきました。 また、私は、商工労働部長の前にも幾つかいろいろ課長等をやらせていただきましたけれど も、例えば知事の秘書課長であるとか、先ほどお話が出ましたけれども、県下の市町村全体の 行政、財政、選挙等の指導をする立場の市町村課長など、県庁内の職員と一緒に仕事すること
    47 はもとより、県下全体を見渡せる立場として経験をしまして、各界各層の方々とおつき合いを させていただきました。 県を退職した後は、千葉商工会議所並びに県下21ございます商工会議所の連合会をまとめる 連合会の専務理事として、引き続き経済界の皆さんと深いつき合いをさせていただきました。 こちらに来てからも、勝浦駅のエレベーターの設置であるとか、鵜原の産廃問題の解決なども、 そういうおつき合いの中から、意思疎通を密にして、有利に、また早く実現したというふうに 私は思っております。 私は、先ほども言いましたけれども、これまでの市長就任以来の信条として、市民福祉の向 上のため、市民の声を聞きながら、威張ることなく、真面目に、公平・公正、真心をもって行 政を執行するという所信を忘れずに、全身全霊、市政運営に当たってまいりましたが、これか らも、この精神をもって3期目を目指したいと思っております。チャレンジではなくて、やる んだと言ってくれということでございます。3選出馬をいたします。ということでございます。 以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。岩瀬義信議員。 ○15番(岩瀬義信君) 市長、ありがとうございました。ただいま、3期目を目指す力強い決意を聞 きまして、猿田市長の勝浦市に対する思いの強さを感じました。市議会議員として、また、一 人の市民として、大変心強く感じました。 私ども会派、勝寿会の議員は、末吉会長を先頭に、猿田市長の3期連続当選に向けて全力を 尽くすことを、ここに表明したいと思います。 どうか、猿田市長には、市民の熱い期待に応えるべく、常に前向きで、スピーディーな行動 力にさらに磨きをかけられ、3期目の構想実現に向け、邁進されますよう心からご期待申し上 げまして、私の一般質問を終わらせていただきます。どうもありがとうございました。 ○議長(岩瀬洋男君) これをもって岩瀬義信議員の一般質問を終わります。 ──────────────────────── 議長(岩瀬洋男君) 次に、佐藤啓史議員の登壇を許します。佐藤啓史議員。 〔8番 佐藤啓史君登壇〕 ○8番(佐藤啓史君) 皆さん、こんにちは。私も一般質問を、かれこれ40回以上やっていると思い ますが、前段者の気合いの入った質問の後で非常にやりづらいという思いもありますが、お昼 からですので、元気よくやりたいと思います。平成30年9月定例会議会一般質問初日の4番手 で登壇いたしました、会派、新政みらいの佐藤でございます。どうぞよろしくお願いいたしま す。 の暑さ対策についてであります。 今回は、教育課題について質問いたします。教育課題についての1点目は、学校における夏 学校における夏の暑さ対策、いわゆる熱中症対策につきましては、平成25年6月議会、平成 29年9月議会に続き、3回目の質問となります。平成25年6月議会では、夏の暑さ対策につい て質問を行い、市内の全小中学校の普通教室に扇風機を設置していただきました。昨年の9月 議会では、普通教室のエアコン設置を要望し、教育長からは、近年の異常気象を踏まえ検討す ○ 48 る旨の答弁をいただいていることを申し上げ、質問をいたします。 ところで、勝浦市は、関東で過去110年間に一度も猛暑日になったことがない唯一のまちで り、最近では、都心から一番近い避暑地として、ネットを中心に注目されてきています。今年 8月3日放送の「NHK首都圏ネットワーク」、8月22日放送の「NHKひるまえほっと」で は、「いってみよういってみたい」千葉・勝浦市・知る人ぞ知るひんやりスポット、番組の宣 伝では、千葉・勝浦市は過去110年間で一度も35度以上の猛暑日になったことがない。知る人ぞ 知る穴場の避暑地に涼を求めて旅してきた。散策スポットとして人気の岬・鵜原理想郷で、勝 浦まち歩き観光ガイドの会会長・江澤修氏にハイキングコースを案内してもらった。トンネル
    の温度は22.8度。与謝野晶子も訪れた絶景を紹介。ということで、NHKで放送されました。 ごらんになった方もいらっしゃるかと思います。 話はそれましたが、今年も日本の夏は猛暑となりました。今年もというより、猛暑は毎年の ここと思うべきなのかもしれません。昨年までと違うところは、梅雨明けが6月中と早かった ことから、7月から猛暑、酷暑が始まりました。ということは同時に、学校で学ぶ児童生徒は、 夏休み前の1学期中に既に熱中症の危険にさらされていたことになります。気象庁では、今年 の猛暑を災害として認識しました。5年ぶりに最高気温が更新され、テレビのニュースでは、 熱中症予防のために、エアコンの適度な利用と水分補給を伝えています。しかしながら、勝浦 市内の小中学校の普通教室にはエアコンが設置されておりません。これではどうやって子ども たちを、教職員の方々を熱中症から予防するというのでしょうか。猛暑日を記録した日がない 避暑地勝浦とはいえ、日中は30度を超えることは普通にあり、この市役所庁舎はもちろん、キ ュステや図書館などの市内の公共施設、病院やスーパーなどの民間の施設や店舗など、ほとん どが冷房のきいた快適な空間で働いております。子どもたちや先生だけはエアコンのきいた空 間で学び、働くことはできないのでしょうか。 今年の災害級の暑さから、全国的にも、また千葉県内の自治体でも、学校のエアコン設置を 前倒しする自治体が増えてきているようです。勝浦市でも普通教室へのエアコン設置を要望す る声も出てきていることから、私は今回質問をするものであります。 そこで、夏の暑さ対策として、1点目には学校現場における夏の暑さ対策についてお聞きい たします。 2点目には、市内小中学校の普通教室へのエアコンの設置について、再々度の要望をいたし ます。3回目の要望でございます。教育委員会の見解をお伺いします。 3点目には、部活動における暑さ対策はどう講じられているのか、お聞きいたします。 次に、教育課題の2点目についてお聞きいたします。教育課題の2点目は、通学路の安全対 策についてであります。 の時間帯でありました。 本年6月18日、午前7時58分、大阪府北部を震源とするマグニチュード6.1の地震が発生。大 阪市北区や高槻市、茨木市など5つの市で震度6弱を観測。発生は、ちょうど朝の通勤・通学 大阪府高槻市立寿栄小学校では、通学路脇のプールのブロック塀が地震の影響で崩壊。登校 中の4年生の三宅璃奈さんが下敷きになり、亡くなりました。彼女はいつも小学校1年生の弟 と登校していたそうであります。しかし、この日は挨拶当番のため、いつもより10分早目に、 1人で家を出たそうであります。未来のある小さな命が犠牲になったことはとても悲しいこと 49 であります。親御さんの気持ちを考えたら言葉がありません。小学校2年生と6年生の子ども を持つ私としては、親御さんの気持ちを考えたら、何の言葉も見つかりません。璃奈さんのご 冥福をお祈りするばかりであります。 私たち大人は、今回の事故をどう生かすべきかを考えなければいけません。肝心なことは、 今回の事故は防げた事故であったということであります。高槻市によると、塀は高さ約3.5メー トル。そのうち、つけ足された高さ約1.6メートルのブロック部分が幅約40メートルにわたって 倒壊しました。ブロック塀は高さ2.2メートル以下となっている建築基準法の規格に適合してお らず、高槻市は違法建築物であったことを認め、謝罪しました。絵が描かれたりしていたこと から、事故前は近所の人たちから肯定的に受けとめられていた塀が、地震発生時には凶器とな るものであったことは皮肉と言えます。ブロック塀の危険性を認識し改善策を講じていれば、 璃奈さんの命は救われていたものと思います。 このような痛ましい事故を勝浦市でも未然に防ぐためにも、改めて通学路の安全点検をする 必要があると考えます。そこで、通学路の安全対策に対する市の取り組みについてお聞きいた します。 以上で、登壇しての質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) 教育長から答弁を求めます。岩瀬教育長。 〔教育長 岩瀬好央君登壇〕
    ○教育長(岩瀬好央君) それでは、ただいまの佐藤議員の一般質問にお答えします。 教育課題について申し上げます。 初めに、学校現場における暑さ対策についてお答えいたします。 教育委員会では、教育大綱の基本方針の6「子どもたちが安全に安心して学ぶことができる 教育環境の整備」を掲げ、教室の室温測定についても、昨年度に引き続き、本年度も7月中の 教室の室温を計測いたしました。各学校の就業日、午後2時の平均気温につきましては、上野 小学校が28.6度、興津小学校が29.7度、勝浦小学校が28.8度、郁文小学校が30.3度、豊浜小学 校が29.5度、総野小学校が29.0度、勝浦中学校が29.4度という結果でありました。 また、昨年度の計測で平均気温が一番高かった郁文小学校においては、1教室でゴーヤを用 いたグリーンカーテンを施して、隣接する教室との室温差を計測いたしました。その結果、グ リーンカーテンを施した教室のほうが0.2度低い結果となりました。 文部科学省が定める学校衛生基準では、教室の室温は17度以上、28度以下が望ましいとされ ております。7月2日から20日までの就業日14日間のうち、この衛生基準の28度を超えた日数 は、延べ日数11日の学校が4校、12日の学校が3校となりました。 また、各学校の教室の最高気温については、上野小学校が29.6度、興津小学校が31.4度、勝 浦小学校が30.4度、郁文小学校が32.0度、豊浜小学校が31.9度、総野小学校が32.0度、勝浦中 学校が31.0度という結果となりました。 その暑さ対策についてですが、換気や扇風機を用いた対策及び積極的な水分補給を促し、熱 中症の予防に努めました。また、各家庭に協力を依頼し、学校へ持参する水筒に、塩分摂取が 図れるようなスポーツドリンクの推奨や、水分量の増量をお願いしたところです。 2点目の小中学校普通教室へのエアコン設置についてでありますが、勝浦市教育大綱・アク ションプランにも検討事項として挙げておりますとおり、教室の室温測定の結果を踏まえまし 50 て、8月6日の教育委員会会議で、設置の必要性について協議いたしました。 8月20日には、勝浦市総合教育会議を開催いたしまして、市長と教育委員会、関係課長で、 小中学校の普通教室へのエアコン設置について協議を進めたところです。その中で市長から、 来年6月中を目途に小中学校の普通教室にエアコンの設置ができるよう、早急に調査、準備を 進めるようにとの指示がありました。教育委員会といたしましては、児童生徒を猛暑から守り、 快適な環境で学習活動に臨めるよう、来年度6月中を目途に、普通教室へのエアコン整備に向 けて、調査、検討を進めてまいりたいと考えます。 次に、3点目の部活動における暑さ対策についてですが、各学校に設置をしてあります暑さ 指数計を活用して部活動指導に当たるよう通知をいたしました。具体的に5つの項目を通知い たしました。 1点目は、暑さ指数計により活動場所の暑さ指数を計測し、暑さ指数が31度以上の場合は活 動を中止すること、また、暑さ指数計の活動指針の段階に合わせて、休憩時間や水分補給の目 安についても、具体的に通知をいたしました。 2点目は、児童生徒の健康観察の徹底を図りました。 3点目は、活動場所の換気及び扇風機の活用を図り、環境条件の整備に努めました。 4点目は、服装等の指導を行いました。児童生徒の服装は、登下校も含めて軽装とし、吸湿 性や通気性のよい素材で活動することとしました。また、屋外での活動は、必ず帽子を着用す るようにという指導をいたしました。 5点目は、水分補給にはスポーツドリンクを推奨するとともに、必要に応じて、塩あめ等に よる塩分補給も行いました。また、保護者に協力を依頼し、熱中症の予防につながる頸部等を 冷やす冷却剤を持参させるなどの対策を講じたところです。 また、新学期からの対応については、9月3日に校長会が行われたわけですけれども、その 中でも次のことを依頼しました。先ほど申し上げた取り組みの継続とともに、1つ目は、これ まで国・県で出されております「熱中症の予防・事故防止・予防の徹底・健康確保に向けた対 応等について」の通知等を再確認し、適切な対応をとること。2つ目として、教職員に対し、 児童生徒のさらなる健康観察や声かけの徹底を図ること。3点目として、幾ら指導や環境を整
    えても、児童生徒自身の健康管理ができなければ効果は期待できないことから、睡眠や食事、 生活習慣等についての指導を学校のほうからも行うこと。その3点を申し上げたところです。 また、学校教育法施行規則にあります「非常変災その他急迫の事情があるときは、校長は、 臨時に授業を行わないことができる」ということが掲げられておりますので、これにつきまし ては、本年8月7日付で文部科学省から、「熱中症事故防止のために必要がある場合も含まれ る」、そういう解釈が出ておりますので、このことについても校長に伝達しまして、学校の実 態、状況に応じて柔軟な対応を図ってほしいというところを依頼したところであります。 次に、通学路の安全対策に対する市の取り組みについてですが、本年6月、大阪府北部地方 で発生いたしました地震により、先ほどお話がありました、登校途中の小学生が倒壊したブロ ック塀により命を落とすという大変痛ましい事件が起きました。教育委員会といたしましては、 都市建設課に協力を依頼し、学校敷地内及び学校隣接地について緊急点検を行いました。 学校敷地内では、上野小学校のグラウンド内のブロック構造物、勝浦小学校の門柱、勝浦中 学校の門柱が危険と判断されました。それらについては既に撤去工事を完了したところであり 51 ます。 また、学校に隣接するブロック塀等についてですが、上野小学校と勝浦幼稚園・勝浦小学校 に隣接するブロック塀が確認されました。その2カ所とも、現在のところ、危険構造物である かどうかについての点検調査は実施されておりません。したがいまして、児童の安全を確保す るために、上野小学校では、規制線を設け、児童が立ち入ることができないようにしました。 また、勝浦幼稚園・勝浦小学校では、万が一を考え、新たな避難路を整備して、児童の安全を 確保しました。 また、これらの緊急対応に加えて、教育委員会では、教育大綱・アクションプランの中にも 通学路の関係機関合同安全点検の実施を掲げております。勝浦市通学路安全推進協議会を組織 しまして、勝浦警察署、夷隅土木事務所、市都市建設課、生活環境課、市PTA連絡協議会と 連携いたしまして、通学路の点検及び安全対策を進めていく計画であります。夏期休業中に各 学校での通学路の点検が完了いたしましたので、それらを取りまとめまして、9月中には、関 係機関合同で現地確認を実施する予定であります。 以上で、佐藤議員の一般質問に対する私からの答弁を終わります。よろしくお願いします。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。佐藤啓史議員。 ○8番(佐藤啓史君) いつもでしたら市長、教育長から答弁をいただきまして、それに対して再質 問しますというのが私の決まり文句だったんですけれども、先ほど教育長のほうから非常に懇 切丁寧なご答弁をいただいた中で、エアコンの設置につきましては、総合教育会議で、市長の ほうから、来年の6月を目途に、それについて推進するというような、私としては、非常に りがたいといいますより、感謝を申し上げたいようなご答弁をいただきましたものですから、 まずもって、その点につきまして、市長、教育委員会、教育長、関係する皆様方に、この英断 をしていただきましたことに対して、一議員として、また、市P連の会長としまして、また、 子どもを持つ保護者としまして、感謝を申し上げたいと思います。ありがとうございます。 ただ、どういった方式で今後していくかということが、実際に、事務方といいますか、具体 的な導入の仕方はどうなるのかということになろうかと思います。今日も、実は、千葉日報だ ったと思いますが、茂原市でも、田中市長のほうから、茂原市でもという話も出ましたし、今 月、それから先月から、千葉県内各自治体、君津や市原、いろいろなところでエアコンの前倒 しという記事も出ております。あわせて、公立小中学校の普通教室の空調設置率ということが、 8月15日の読売新聞に出まして、ゼロ%の市町もあれば、100%の市町村もあるということで、 二極化していますよというのが出た後に、今年の災害級の暑さということから、軒並みに前向 きに設置していただくようになりました。実は、明日、市P連の役員会議があるんですけれど も、私はその場で、勝浦市の市長初め教育委員会の英断について、早速申し上げたいと思って おります。 ということで、私の今回の質問の主な趣旨は、今の答弁をいただきましたので、暑さ対策に つきましては再質問をする内容がなくなってしまったわけでありますが、まだ時間が40分あり
    ますので、何点かお聞きしていきたいと思います。 私も今回質問して、岩瀬教育長は、私が議員になってから4人目の教育長でございます。渡 辺教育長、松本教育長、それから藤平教育長、岩瀬教育長ということで、岩瀬教育長の先ほど の答弁は非常に懇切丁寧に、各小学校ごとに温度の話もしていただきましたし、逆に言えば、 52 1回目の答弁が非常に懇切丁寧なものですから再質問をする必要もないということにつながる わけでありますけれども、その中で、温度基準が変更になったという話がありました。もとも と、10度以上、30度以下だったですね。それが、17度以上、28度以下に変更したということで、 勝浦市内の小中学校は、一番高いところで郁文小学校ということでお話もありました。今度全 てエアコンを設置するような形になればその温度も変わってくるかと思うんですけれども、設 置した後の運用についても、どういったことになるのかという細かい部分について、この温度 基準に沿ってやるのか、温度が17度以上、28度にならないんだけれども、例えば、湿度が高く て不快指数が高く、これは危険だよとなれば、学校長の判断でできるような形にするのか、そ ういった細かい部分については今後必要になってくると思いますが、まず1点目、再質問で聞 かせていただきますが、設置に向けて、どのような形で今考えているのか、財政的なことも必 要ですし、来年度当初予算で考えているのか、今年度中の補正予算で考えているのか、その辺、 わかる範囲内で結構ですので、ご答弁いただきたいと思います。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) それではお答えをさせていただきます。導入の方式と予算要求について でございますが、まず、1点目の普通教室エアコン設置に向けての方式ですが、大別して2つ の方式を今検討しております。1点目といたしまして、学校施設環境改善交付金、いわゆる国 の補助金を活用して買い取り方式で導入する方法、2つ目といたしまして、リース方式による 導入方法がございます。現在、教育委員会といたしましては、両方とも検討した結果で、リー ス方式での導入について検討を進めているところでございます。 その理由といたしましては、現時点で、普通教室58教室を、来年6月を目途に整備をしたい と考えております。そのエアコン本体の費用、それから工事費、キュービクルの改修工事を合 わせまして、設置工事費で言った場合につきましては2億800万円程度、概算でございますが、 その費用がかかります。これに、今の学校施設環境改善交付金、いわゆる国の補助金につきま しては、現時点での試算では2,509万8,000円となります。したがいまして、全体工事費の約 12%になります。これは国の基準額と国が示す空調面積と単価を積算したものによります。ま た、その補助基準額になりますものが、概算で約7,500万円、全体工事費の36%。そして、先ほ ど申し上げました、その3分の1が補助金となりますので、2,500万円が補助金ということとな ります。そして、その補助基準額、いわゆる配分基礎額というものが起債の対象となりまして、 7,500万円という形になります。 また、このほかに、設計監理業務につきましては補助対象外とされておりまして、その経費 につきましては概算で2,700万円程度となります。実工事費の2億800万円と、この2,700万円を 加えまして、2億3,500万円程度が設置工事費に係る総事業費ということになります。それに、 国庫補助金額は2,500万円というような状況になります。 さらに、このエアコンにつきましては、学校という性質上、チョークの粉であるとか、多く の児童生徒がそこで活動いたしますので、メンテナンス費用が別途かかります。そして、さら に議員ご指摘の経常的経費、この電気代が、試算でいきますと約500万円、経常的に見込まれる こととなります。 一方、リース方式でございますが、10年リースを考えた場合、総事業費は2億200万円、これ を10年で割りますと、毎年2,020万円となります。これには、設計に関係する費用、そしてメン 53 テナンス、故障時の取りかえ費用なども含まれます。さらに、夜間電力の活用が図られること から、電気代は、設置工事費のものと比べまして約100万円程度安く抑えられます。そういった 財政面も含めた検討を、現在のところ進めております。
    次に、予算でございますが、それに関係する費用につきましてを債務負担行為で計上させて いただきたいと考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。佐藤啓史議員。 ○8番(佐藤啓史君) 細かくご説明いただきまして、今のご答弁だとリース方式でという形になろ うかと思います。いずれにしても、これは子どもにとっても、先生にとっても、また親御さん たちにとっても喜ばれることでございますので、また、私は、正直、中学校は1つになりまし たけれども、小学校については、まだまだ今後統廃合は必要かというふうに考えている中で、 その後でもという考えもあったんですが、現在、清海小もそうですが、今後、空き校舎の利活 用をする、あるいは企業誘致等をしていく上でも、既にエアコンがあるということになれば、 それはまた企業立地班にとっても、一つの強い武器になるかと思いますので、これはもう来年 の6月に向けて、大いに進めていっていただきたいと思います。 それでは、今度は部活動の件についてお聞きします。先ほど部活動の関係も非常に細かくお 話しありました。特に中学生の場合、8月に、中学総体というんですか、部活動の総体があり ます。その前に、梅雨明けのころが一番暑くなりますので、大会に向けて準備している中で、 監督というか、コーチ、顧問の先生たちにすれば、練習を休むか、休まないかという、練習し たいんだけど、大会前だからというような葛藤もあったりすると思います。また、子どもたち、 選手も、中学校最後の大会に向けて、ここで休んだらというような思いもあると思いますが、 そこは、明確に、先ほどお話しありましたけれども、暑さ指数計に沿って、基準を超えたら、 勇気を持って休む、あるいは休憩をとるというようなことも必要になってくると思います。 特に、勝浦中学校で言いますと、今、皆さんお気づきかと思いますが、勝浦中学校の学生は、 勝魂というTシャツを着ていらっしゃるんです。特に今の時期もそうなんですけど、勝魂Tシ ャツで登校されているかどうか、ジャージとかで登下校されている方もいるんですが、先ほど 制服についても涼しい服装でというお話もありましたが、勝魂Tシャツというのは、私も1枚 購入させていただいたんですが、あれで登下校させていただくようになれば、暑さに対しても、 朝、登校の時間に30度近くまで上がっていたりというのはよくあることですので、登下校、部 活動もそうですけれども、服装のことについても、今、教育委員会のほうから、子どもたちを 守るためにいろいろご指導されているということが、今回の質問でよくわかりました。 スポーツドリンクの推奨であったり、塩あめであったり、また冷却剤というお話もありまし た。特に私が心配したのは、小学生はともかく、中学生は、総体前に、顧問の先生、子どもた ちが、少しでも上位の成績をおさめようと思って頑張っている中で、そういった基準というも のがあり、しっかりと明確に打ち出していただいて、休むべきときは休むということを、しっ かりと指導していただきたいと思います。 暑さ対策につては以上で終わりまして、次、通学路の安全対策についてお聞きします。 ○議長(岩瀬洋男君) 質問の途中でありますけれども、2時15分まで休憩いたします。 午後1時59分 休憩 ╶───────────────────────╴ 54 午後2時15分 開議 〔12番 丸 昭君退席〕 ○議長(岩瀬洋男君) 休憩前に引き続き会議を開きます。 佐藤啓史議員、質問を続けてください。 ○8番(佐藤啓史君) 質問の途中で休憩入りますとリフレッシュできまして、もう一度改めて質問 をしたいと思います。そうしましたら、通学路の安全対策であります。先ほど教育長からもご 答弁をいただきました。その中で、勝浦市通学路安全推進協議会というものを新しく設置して というようなご答弁がありました。この協議会には、都市建設課、生活環境課や市P連、そう いったものがということですが、もう一度確認の意味で、この通学路安全推進協議会、正式名 称を間違っていたらご指摘いただきたいと思いますが、これを来年度からということなのか、 今年度ある程度組織化を目指していくのかについて、詳細といいますか、今現在考えているも のについて、ご答弁をいただきたいと思います。
    ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) それではお答えいたします。勝浦市通学路安全推進協議会でございます が、小中学生の通学路の安全対策を、関係団体が連携して行うというようなものでございます。 先ほど教育長の答弁からもありましたが、関係団体といたしましては、夷隅土木事務所、勝浦 警察署、市都市建設課、生活環境課、市PTA連絡協議会、教育委員会、そして各学校が連携 をいたしまして、その対策を講じるものでございます。 実施内容といたしましては、大きく4点です。通学路の危険個所の把握を、学校とPTAに 行っていただきます。そして、推進協議会を開催いたしまして、合同点検箇所の確認をいたし ます。そして、3点目といたしまして、現地確認をいたしまして、対策の検討をいたします。 そして、4点目といたしまして、対策後の効果の確認をいたします。 この推進協議会につきましては、平成29年2月に発足をいたしまして、事業といたしまして は、昨年1年度、そして今年度の事業実施ということとなります。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。佐藤啓史議員。 ○8番(佐藤啓史君) 今のお話だと実は平成29年にできていたということで、私が知らなかっただ けということで、非常に恥ずかしいことでありますが、承知しました。 一つの例で言いますと、勝浦小学校でいきますと、毎年、年度初めに、危険個所、親御さん にアンケートを出してもらいます。これは各学校皆さんそうだと思うんですが、例えば、平成 30年度の危険個所申請場所ということで、勝浦小に関して言えば21カ所上がっています。もち ろんブロック塀も含めてですけれども、ブロック塀であったり、交通危険個所、あるいは不審 者が出没しそうな危険個所ということで、21カ所あります。これは市内の小中学校含めて皆さ んやっていることと思いますが、この危険個所に、もちろん学校側から教育委員会へ上がって、 それで今度、推進協議会の中で安全対策をしていくというようなことになろうかと思います。 今回は、あくまでも質問はブロック塀を中心にということでお話しさせていただきました。 先ほどの答弁でありますと、上野小と勝浦小の境界隣地に、ブロック塀が危険じゃないかとい うところが2カ所散見できるというようなお話がありました。勝浦小に限って言えば、今、隣 接は幼稚園になります。勝浦幼稚園には勝浦第2放課後ルームがあります。勝浦小の児童がそ こを通って第2放課後ルームに向かいます。もちろん幼稚園の方たちが通ったりすることも 55 ります。そういったことで、新しく通路を変える。これは、昨年ですか、勝浦小の北側といい ますか、崖が崩落しまして、これは市のほうが早急に、総務文教常任委員会だったと思います が、現地視察を行った結果、もっとちゃんとやろうよということで、市のほうも予算をつけて いただいて、勝浦小学校の北側の崖の崩落をきれいにやっていただきました。多分、今度そち ら側から子どもたちは通るような形になるかと思いますが、そういったことで、非常に危険な 箇所を適切に見抜いて、そしてすぐに対処していただくということで大いに評価できますし、 これは勝浦小だけではなく、市内小中学校の通学路、子どもが卒業すれば通学路じゃないとい うことではなく、ここには、お年寄りや、区民の方、市民の方も通る通学路、いわゆる市民の 通路でありますので、それについてはもう一度見直し、洗い直しをしていだいて、万全を期し て対策を講じていただきたいということをお話しさせていただきます。 ということで、今回、エアコン設置につきましては、三度目の正直ということもありますが、 これで一つの形になろうかと思います。非常にありがとうございます。 最後に、24分残っておりますが、実は、せんだって、我々、新政みらいの会派で、市政報告 会というものを行いました。そこの場に出席された方から、男性の方ですけれども、「皆さん、 一番大事なことは教育だぞ」ということを言われました。国家百年の計を見据えたときには教 育が一番大事だぞということの意味だと思います。これは勝浦市にとっても同じことであって、 勝浦市の将来を担う子どもたちの教育を優先的にやらなければだめだというような叱咤激励だ と思いますし、市長からは、以前から、教育予算はちゃんとやりますよというようなこともい ただいております。3期目出馬の宣言をされた市長に対して、教育、それから子育て、これは 今後引き続きやるというようなことを先ほど答弁いただきました。いずれにいたしましても、 今回、子どもの安全対策ということで、暑さ対策、通学路の安全対策、子どもの命を守るとい
    うことで、私は質問させていただきました。市、それから教育委員会、それから我々PTAも 含めて、子どもの命を守ることにしっかりと取り組んでいくよう、私もご協力することを申し 上げまして、質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) これをもって佐藤啓史議員の一般質問を終わります。 ╶───────────────────────╴ 議長(岩瀬洋男君) 次に、戸坂健一議員の登壇を許します。戸坂健一議員。 〔7番 戸坂健一君登壇〕 ○7番(戸坂健一君) 皆さん、こんにちは。本日、一般質問のトリを務めます、会派、新政みらい の戸坂健一と申します。本日は、午前中から前段者に至るまで、たくさんの傍聴者の方が来ら れておりまして、私の番になって皆さん帰られたらどうしようかと思っておりましたが、たく さんの方に残っていただき、本当にうれしく思っております。一生懸命頑張りますので、もう しばらくの時間おつき合いをいただきたいと思います。 それでは、議長のお許しをいただきましたので、通告に従い、一般質問を始めさせていただ きます。 今回のテーマは、小中学校における道徳教育についての1点であります。このテーマについ て、幾つか項目を分けて質問をさせていただきます。 ○ 56 平成23年10月に起きた滋賀県大津のいじめ自殺事件など、いじめにかかわる痛ましい事件が 後を絶たないことを受け、また、ラインやフェイスブック、ツイッター、インスタグラム、テ ィックトックなどソーシャルネットワークサービスの急速な拡大や、スマホなど情報端末の急 速な普及により、小中学生の中でのコミュニケーションや人間関係に関する大きな変化が起こ り、個々のご家庭におけるしつけだけの問題では解決できないことが増えていること等々を背 景といたしまして、小中学校における道徳教育の重要性が議論されることとなりました。 そして、平成26年10月、中央教育審議会は、道徳に係る教育課程の改善等について答申を行 い、平成27年3月には、小中学校学習指導要領の一部改定が告示され、小中学校における道徳 の教科化が決定をしたところであります。 道徳の教科化が実施をされます。 そして本年度から道徳の授業が全ての小学校で正式に教科となり、来年度からは中学校でも それに伴って、全国の小学校では初めて道徳に対する評価が実施されましたが、「道徳の評 価は数値ではなく、成長の様子や学習状況などを記述する」という評価のあり方について、評 価を見送る学校も出るなど、全国的に議論となっております。 非常に多様化する情報化社会の中で、モラル、道徳について学ぶ機会を得るという道徳の教 科化は必須であり、教育上、非常に重要であると考えます。しかし一方で、ほかの教科とは違 い、客観的な点数評価が難しい科目でもあります。その指導方法や評価方法は、担任の先生に よって大きく左右することも考えられます。 評価を伴う道徳の教科化と検定教科書の使用が子どもの内面に特定の価値観を植えつけるの ではないかという懸念も一部ではあるというふうに伺っております。 そうした状況の中で、今回の質問は、道徳教科化に当たり、その評価の方法や、授業のあり 方について質問しようとするものです。 道徳が、特定の理想教育や偏った正義、価値観の押しつけにならないよう、また、価値観の 多様化が進む現代社会にあって、子どもたちの心の支柱になるような道徳教育とするために、 市内の小中学校の教員間でどのような教育方針を共有し指導していくのか、また、具体的にど のような方法で道徳の授業を進めていくのか、より充実した道徳教育の実践に向けて、全国の 道徳教育先進事例なども参考にしつつ、前向きな議論を進めていきたいと思います。 それでは質問に移ります。まず1点目の質問であります。勝浦市内小学校における道徳の評 価方法について伺います。道徳の評価は数値ではなく、成長の様子や学習状況などを記述する という方針に従い、勝浦市の小学校ではどのような形で評価を実施したか伺います。
    2点目、道徳教育に対する教員の姿勢、教育方針の共有についてであります。道徳教育の重 要性の認識が広まる一方で、教育の現場では、道徳教育は家庭で行うべきで学校で指導するも のではない、道徳性は指導するものではない、学校では教科指導が最優先であるなど、道徳教 育の重要性を共有できないまま指導を怠っているケースも全国的に増えています。市教育委員 会では、道徳教育について教員間でどのような教育方針を定め、共有しているのか伺いたいと 思います。 3点目、考え、議論する道徳の実践についてであります。道徳の教科化に伴い、学習指導要 領では、考え、議論する道徳への転換を打ち出しております。この考え、議論する授業の実践 に向けて、特に中学校において具体的にどのような方策があるか伺います。 57 4点目、来年度から始まる中学校での道徳について伺います。来年度から始まる中学校の道 徳教科について、その評価方法を伺います。 以上で、登壇しての質問を終わります。 ○議長(岩瀬洋男君) 教育長から答弁を求めます。岩瀬教育長。 〔8番 佐藤啓史君退席〕 〔教育長 岩瀬好央君登壇〕 ○教育長(岩瀬好央君) それでは、ただいまの戸坂議員の一般質問にお答えします。 小中学校における道徳教育について申し上げます。 教育委員会では、道徳教育の充実につきまして、教育大綱の基本方針の2「豊かな心と自己 実現を図る力の育成」に掲げております。議員ご指摘のとおり、今年度から小学校において教 科としての道徳が導入されましたが、学校における道徳教育の位置づけは、これまでどおり学 校の教育活動全体を通じて行うものであるとしています。 そして、その目標は、教育基本法及び学校教育法に定められた教育の根本精神に基づき、自 己の生き方を考え、主体的な判断のもとに行動し、自立した人間として他者とともに、よりよ く生きるための基盤となる道徳性を養うこととされています。 一方、教科としての道徳の目標は、道徳教育の目標に基づき、よりよく生きるための基盤と なる道徳性を養うため、道徳的諸価値についての理解をもとに、自己を見詰め、物事を多面 的・多角的に考え、自己の生き方についての考えを深める学習を通して、道徳的な判断力、心 情、実践意欲と態度を育てるとされています。 これらのことを踏まえまして、1点目の市内小学校における道徳の評価方法についてであり ますが、教科としての道徳の評価方法については、文章表記による評価を行いました。教科と しての道徳科の評価は、道徳的行為の評価ではなく、道徳科の目標を踏まえ、児童の学習状況 や道徳性にかかわる成長の様子を継続的に把握し、指導に生かすよう努めることが求められて います。 ています。 特に、「自己を見詰め自分のこととして捉えているか」、「物事を多面的・多角的に考えよ うとしているか」といったことに着目して道徳科の学習状況を把握することが必要であるとし 各小学校においては、これまでの研修をもとに、これらのことを踏まえて評価活動を行って いるものと考えております。 次に、2点目の道徳教育に対する教員の姿勢についてですが、議員も申し上げておりました が、道徳の教科化に至った背景にあるいじめ問題や道徳の授業時数の確保を踏まえながら、全 ての小中学校において効果的な指導方法や評価方法について研修を重ねております。 また、学習指導要領では、「学校の道徳は、教科の道徳を要として、学校の教育活動全体を 通じて行うもの」とされております。したがいまして、各教科、総合的な学習の時間、特別活 動とも関連を持たせた道徳教育全体計画が立案され、それに基づいて、各学校で児童の実態に 合わせた実践が展開されているものと考えます。 3点目の考え、議論する道徳の実践についてですが、小学校学習指導要領においては、「児 童が多様な感じ方や考え方に接する中で、考えを深め、判断し、表現する力などを育むことが できるよう、自分の考えをもとに話し合ったり、書いたりするなど言語活動を充実すること」
    58 とされています。 また、中学校では、「生徒が多様な感じ方や考え方に接する中で、考えを深め、判断し、表 現する力などを育むことができるよう、自分の考えをもとに討論したり、書いたりするなどの 言語活動を充実すること。その際、さまざまな価値観について多面的・多角的な視点から振り 返って考える機会を設けるとともに、生徒が多様な見方や考え方に接しながら、さらに新しい 見方や考え方を生み出していくことができるように留意すること」とされています。各学校で は、道徳教育推進教師を中心としまして、この考え、議論する道徳の実践に向けて研究・研修 がされています。 中学校に限ったことではありませんが、授業の実践に向けては、教科書や読み物教材、千葉 県が作成している道徳教育映像教材、文科省の道徳教育アーカイブ等を効果的に用いることに より、授業の充実を図ることができると考えます。 4点目の来年度から始まる中学校での道徳についてですが、勝浦中学校では、来年度の導入 に向けて、3回の校内研修を計画しております。その内容は、道徳が教科化になった背景やい じめの対応に関すること、道徳の指導内容の4つの視点、指導方法、評価方法などを研修して おります。また、先進学校の実践例などをもとに、具体的に研修を実施しております。さらに、 東上総教育事務所の指導主事等による研修会も計画し、導入に向けて準備を進めておるところ であります。 以上で、戸坂議員の一般質問に対する私からの答弁を終わります。 〔8番 佐藤啓史君入席〕 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) それでは道徳教育について伺っていこうと思います。実は、平成25年の12月 議会だったかと思いますが、そのときまだ国の道徳教科化が方針が定まっていないときに、私 が一度、道徳教育の今後についてということで質問をさせていただいております。また、平成 29年6月議会にも、同僚議員2名から道徳教育についての質問がなされております。そのとき の質問の内容を今確認させていただきますと、道徳というものは特定の価値観を押しつけるこ とになるんじゃないかというふうに思う、そうした懸念を持つのが今回の道徳の教科化である、 そういうことで心配をされている議員のご意見がありました。 また、全国的な調査の結果等を見ても、教員の中でも、この道徳の教科化に対してはさまざ まな意見がございます。古いデータではありますが、文科省が2012年の全国調査で小中学校の 教員に、道徳について、その課題のあり方、効果を把握することは困難であるとの回答が 46.8%に上ったということで、また、愛知教育大など、4つの教育大が2015年に全国の教員を 対象に行った調査では、教科化に反対する割合は、小学校の教員で78.9%、中学校の教員で 75.9%にも上ったというデータもございます。 これまでのそういったデータも踏まえて考えますと、特に教育の現場におかれては、この教 科になるということで、これまで評価していなかった部分を評価しなければならないというこ とになり、この評価というものをしっかりやらなければならないという考え方の中で、もしも 誤った評価観のもとで子どもたちの評価活動が行われてしまえば、それは子どもたちにとって マイナスになるのではないかという懸念があり、今回質問した次第であります。 先ほどのご答弁の中で、文章表記で評価をするということで、また、児童の学習状況を踏ま 59 えて、心の成長を評価するというふうにお答えをいただきました。また、多面的・多角的な考 え方を持っているかというところも評価するということでありますが、こうした、いわゆる教 育委員会が持っている評価のあり方、理想を全ての教員の皆さんが共有しているかというとこ ろが非常に気になります。ですので、この評価の方法、あるいは評価のあり方というものをど のようにして今回教員の皆さんで共有したのか、客観的な評価の方法を共有したのかというこ とをお聞かせいただければと思います。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。
    ○教育課長(岡安和彦君) お答えいたします。道徳科における評価についてですけれども、児童生 徒の側から見ればですけれども、みずからの成長を実感して意欲向上につながっていくもの、 また、教師の側から見ますと、教師が目標や計画、指導方法の改善・充実に取り組むための資 料となるものというふうに教育委員会は考えております。 評価の共有につきましては、教科化にあわせまして、各学校で行われております校内研修、 さらには東上総教育事務所指導主事等による要請訪問を通しまして、その評価方法、内容につ いて共有をされているものというふうに判断をしております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) この評価方法のしっかりした基準なり価値観というものを、ぜひとも教員の 皆さんでしっかりと共有を図っていただきたいと思います。 そこで、2個目の質問ともリンクしてしまうんですが、例えば、道徳の教科書を私も少し拝 見をしたんですけれども、その中には死刑制度の是非についてといったようなテーマもありま した。非常に難しいテーマだと思います。私もたまたま司法試験を6年間受けて、6回とも落 ちてしまったという、受験生としては非常にセンスがなかったんですけれども、刑法というも のを勉強していてとても興味があって、いろいろな死刑制度についてなどの本を読んだりした んですけれども、それでもやっぱり死刑ってどうなんだろうなと、正しいのか、正しくないの か、わからないという部分があります。それを小学校、中学校の段階で議論するということは、 これは非常に能力が要るなあというふうに思います。それをまた指導する教員の先生にとって も、これは非常に難しいテーマなんだろうというふうに思います。意見が非常に分かれるなら いいんですけれども、死刑制度は私は反対だという教員の方が、これは反対なんだよというふ うに教え方をしてしまうと、これはやはりまずいんだろうというふうに思うんです。そうした テーマによって意見が分かれる課題というのも非常にあると思うんですが、より公平な授業に するためにどのような取り組みをしていくのか、ともすれば先生の価値観をある程度押しつけ ざるを得ないということもあるかと思うんですけれども、そうしたことにならないように、授 業の公平性を保つためにどのような取り組みをしていくか考えたことがあればお聞かせくださ い。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えをいたします。道徳につきましては、4つの視点から授業が展開 をされます。1つ目といたしまして、主として自分自身に関すること、2番目に、主として人 とのかかわりに関すること、3番目に、主として集団や社会とのかかわりに関すること、4点 目といたしまして、主として生命や自然・崇高なものとのかかわりに関すること。それぞれに 道徳的な価値項目が設けられております。今議員ご指摘の、いわゆる道徳的な価値の押しつけ 60 になるのではないかというご心配についてですけれども、先ほど教育長の答弁にもありました が、他者の考え方や議論に触れることによって、また、自立的に思考する中で、画一的な見方 から、多面的な、そして多角的な見方へと発展をさせていくということも指導の中のポイント としてございますので、そういった価値を押しつけるような指導というのは学校で十分配慮さ れているというふうに考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) 今のご答弁の中で、考え、議論するということが出てきました。この考え、 議論する道徳というものは、学習指導要領の中にもしっかりと書かれている部分であります。 そこで質問ですけれども、学習指導要領の中の、答えが一つではない課題に対して、子どもた ちが道徳的に向き合い、考え、議論する道徳教育への転換を行うというふうに記載をされてい るわけでありますが、私は、これはすばらしいことだと思います。私、たまたま学習塾でアル バイトをしていたことがあって、子どもたちと話していても、どうしても議論というのがなか なか、みんな難しいと考えている部分があると思うんです。自分の意見をはっきりと言うこと が恥ずかしかったりとか、そのはっきり言った意見が否定されてしまうことを、まるで人格を 否定されているように感じてしまう子がいたりとか、また、議論の内容というのを後々まで引 きずってしまって、プライベートの部分まで、その議論の正しい、悪いというのが続いてしま
    ったり、そういうこともあったりします。そうしたことにならないために、議論というものの あり方、やり方、方法というものを、どこか授業で取り込む必要があるというふうに考えてい ます。現状、この議論というものを授業のどこかで実施しているというような例があれば教え てください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えをさせていただきます。議論という視点から道徳を見ますと、先 ほど教育長の答弁からございましたが、道徳教育全体計画につきましては、各教科総合的な学 習の時間特別活動というようなものと全て関連を持たせた計画となっております。そして、議 員ご指摘の、考え、議論する中で、自分の考えを発表する。また、他者の考えを理解するとい った討論のベースになるものにつきましても、当然ながら、各教科総合的な学習の時間、そし て特に、特別活動の時間等を用いて、その充実が図られております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) 特別活動の中でその議論の充実が図られているということでありましたが、 私は、今後、例えば中学校で始まる道徳の教科としての授業の中で、議論のやり方というのを 学ぶべきではないかと思います。議論と一口に言っても、さまざまなやり方があります。例え ばパネルディスカッションというやり方もありますし、ディベートというやり方もありますし、 それ以外の方法もあると思います。そうした議論のルールがある程度伴う議論のやり方という ものを、小学校、できれば中学校の間にしっかりと学ぶべきだし、それを学習指導要領の中で、 道徳の中で、考え、議論する道徳というふうにはっきり書いてあるわけですから、道徳の授業 の中で議論のやり方、方法論を勉強していくことが必要だと思います。 また、それに伴って、教員の皆さんの側も、議論のやり方というものを、ある程度教える方 法を共有するといいますか、研修等を行っていただく必要もあると思うんですが、道徳の授業 の中で議論に特化した授業をやっていくという考え方について、お考えをお聞かせいただけれ 61 ばと思います。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) 特別活動並びに議論の進め方ということでございますが、特別活動の目 標といたしましては、集団や社会の形成者としての見方、考え方を働かせ、さまざまな集団活 動に自主的・実践的に取り組み、互いのよさや可能性を発揮しながら、集団や自己の生活上の 課題を解決することを通して資質・能力を育成するというふうにあります。 例で挙げますと、例えば学級活動とか、児童生徒会活動とか、学校行事等を通して、この特 別活動でつけさせたい力というようなものを育んでいくものとなります。新学習指導要領にお きましては、特別活動において育成すべき資質・能力、重要な視点ということで、3つ挙げら れております。人間関係形成能力、社会参画能力、そして自己実現でございます。その力を育 むために、例えば学級活動等におきましては、まず、自分の考えをそれぞれがまとめて、そし て、その発表する機会を設けるとか、また、それらを学級の中に掲示をしながら、相手の友達 の考えを理解していくとか、そういった基本的な部分ではございますが、さまざまなところが 配慮、工夫されながら特別活動の充実というものが図られています。 学校現場でも教師側が十分配慮すべき事項といたしまして、子ども同士の意見が討論されや すい雰囲気づくりとか、そういったものへの配慮でありますとか、さまざまな工夫がされてお ります。 また、特別活動の充実につきましては、国立教育政策研究所から、この4月にそのリーフレ ットが出ておりますけれども、その中で、改めて特別活動の充実を図りましょう。特別活動の 充実が図られることによって、大きく5つの向上が図られますというようなことが挙げられて います。1点目といたしまして、学級経営に役立ちます。2点目といたしまして、キャリア教 育全体の要になります。3点目といたしまして、言語活動の充実、討論を踏まえた授業等につ いては、アクティブラーニングから学力向上にもつながります。そして、言いやすい学級の雰 囲気づくりをつくることによって、生徒指導上の問題、いじめ防止策などにもつながります。 そして最後に、道徳的実践に結びつきますというようなものが挙げられております。
    学校現場では、こういった指導資料をもとに、さまざま取り組みを実践、研究されているも のと期待しております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) 大変ご丁寧な説明をいただきました。恐らく、特別活動、学級活動とか生徒 会の活動の中で議論の方法等は学んでいるということだと思うんですが、私は、やはり議論の 方法なり実践というものを道徳の教科の中でやってほしいと思います。その理由として、道徳 の授業というのは議論に直結するものが多いと思うんです。例えば先ほどの死刑制度、賛成、 反対のテーマで道徳の授業をやった場合に、もし、仮に、クラスが30人いて、28人が死刑に反 対、2人が死刑に賛成だとなった場合に、この2人の意見が全体の中で異端なものだと見られ てしまってはいけないと思うんです。そのためには議論というものをしっかり学んで、多様な 意見があっていいんだよ、多様な議論があっていいんだよということを前提にしないと、この 道徳の授業そのものが一種の危険性をはらむものになりかねないのではないかという危惧を抱 くわけです。 参考になるかどうかわからないですが、フィンランドの小学校5年生が自分たちでつくった 62 という議論のルールというのものがあって、おもしろかったので、参考までに読ませていただ 議論における10のルール。1、他人の発言を遮らない。2、話すときはだらだらとしゃべら ない。3、話すときに怒ったり泣いたりしない。4、わからないことがあったらすぐに質問す る。5、話を聞くときは話している人の目を見る。6、話を聞くときはほかのことをしない。 7、最後まできちんと話を聞く。8、議論が台なしになるようなことを言わない。9、どのよ うな意見であっても間違いと決めつけない。10、議論が終わったら議論の内容の話は私生活で きます。 はしない。 私は、これを読んだとき、すごいなと思いました。私自身、これは1つぐらいしかできてい ないんじゃないか、もっとできていないんじゃないかなというふうに思いました。こういうふ うに、道徳の教科書に載っているテーマが非常に賛否が分かれるという構成でつくられている 以上、少数派の意見をしっかりと大切にするべきだという議論の前提そのものを道徳の授業で まずは教えるべきだというふうに思います。それは特別活動でなくて。 ですので、いま一度、質問という形になるんですが、道徳の時間の中で、特に中学校におい ては議論の仕方というものをある程度学ぶべきだというふうに思いますが、ご検討いただけな いでしょうか。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えいたします。私の答弁が不足した部分もございます。道徳につき ましては、そういった、いわゆる議論や討論をするルールづくりというものは授業の中で行わ れているものと判断しております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) 失礼いたしました。ありがとうございます。そのようにしていただけると大 変ありがたいと存じます。 冒頭でも申し上げましたが、近年の道徳教育の重要性が議論される中で、もう一個重要だな と思うのは、情報モラルの点であります。冒頭で紹介した、例えばライン、フェイスブック、 ツイッター、インスタグラム、ティックトック、そういうインターネット上に自分の情報を共 有して、ほかの人に「いいね」をもらうというようなシステムがあるんですけれども、これは 本当に一歩間違えると、全国的に起きている事件ではありますが、自分の本来は出すべきでは ない情報を安易に外に出してしまうようなことがあったりとか、また、ラインでは、ラインと いうメッセージを送ると、既読、相手が読んだかどうかわかるという機能がついていますので、 何でメッセージを送って読んでもらったのに返事をくれないんだということにとらわれてしま って、特に若い女子学生の中では、返事をしないと仲間外れになるんじゃないかというような 強迫観念に陥っている子が非常に多いというふうに伺っております。そうすると、勉強中で ったり、家でのプライベートな時間であったり、家族の旅行中であったり、そういう中でもラ
    インの返信に縛られてしまうという事象が全国的に非常に多くなっていて、また、それがいじ めにつながるというような事例も起きています。 ですから、この道徳教育の中で、情報モラルというものをどういうふうに教えていくかとい うことは非常に重要だと思いますが、この情報モラル教育について、市の教育委員会はどのよ うにお考えで、また、どのように指導していくか、お考えがあれば教えてください。 63 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えをいたします。先ほど教育長の答弁から、道徳が教科化になりま した大きな2つの柱、いじめと時数の確保というようなところがございました。加えて申し上 げさせていただきますと、議員ご指摘の、情報通信技術の発展と、子どもたちの生活、SNS の急速な発達により、家庭のしつけだけの問題ではなくなったこと、それから、子どもを取り 巻く地域や家庭の変化、いわゆる地域と家庭教育力の変化、さらには、諸外国と比較したデー タの中で、高校生の自己肯定観や社会参画意識が低いこと、それから、これからの時代であり ます変動性や不確実性、複雑な社会等の進行により、道徳の教育の充実が今図られるべきだと いうようなことの答申に基づいております。 その情報モラルの件に関しては、道徳教科での指導はもちろんのこと、教科、いわゆる中学 校で言いましたら技術、家庭科でありますとか、また、家庭、PTAとの連携等も絡めて指導 していかなければいけない問題であるというふうに考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) ぜひともそのようにしていただきたいと思います。勝浦市の小中学校にあっ ては、この情報、SNS関係で、一人も不幸な子を出さないというような意気込みで、ぜひと も取り組んでいただきたいと思います。 この道徳教育に当たっては、小学校は担任の先生がやっていると思うんですが、来年から始 まる中学校の道徳教科化に当たっては、普通中学校の授業というのは、理科なら理科、数学な ら数学の専任教員が当たると思うんですが、道徳の場合はどのような形で中学校は授業を行う のかというところを教えてください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えをいたします。中学校も同様でございまして、担任が授業を担当 いたします。また、自分の経験も含めてですが、道徳の授業に関しましては、各学級で行われ る道徳に加えまして、学年道徳であるとか、テーマによっては全校道徳であるとかというよう なことも展開をされております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) 道徳の専任教員が当たっていただけるということであるんですが、まだまだ 非常に若い科目であると思いますので、専門的な道徳教育というのが先生方にとっても非常に 難しい、やりづらい部分があるのではないかと思います。そこで、道徳教育に当たっては、地 域の皆さん、例えば現時点でお寺とか、神社とか、さまざまな地域活動を行っている方々がお られます。また、老人クラブの皆さん、婦人会の皆さん、本当に人生経験豊かな、道徳観あふ れる方々が市内にたくさんおられるわけで、そういった豊かな人生経験を有する方々、地域社 会との連携、協力体制というものをつくっていく必要があると思います。この点について、勝 浦市全体で道徳教育を行っていくということで、地域社会との連携について、現時点でお考え があれば教えてください。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岡安教育課長。 ○教育課長(岡安和彦君) お答えをいたします。地域との連携、連帯ということでございますが、 第2期の勝浦市教育大綱の基本理念は、学びと絆でございます。そして、文部科学省が、新学 習指導要領の中では、地域、社会に開かれた教育課程というようなものが打ち出されておりま 64 す。道徳に限らず、中学校、小学校での地域と連携をした教育活動の充実につきましては、教 育委員会としても支援をしてまいりたいと考えております。
    現在のところ、道徳に関して具体的な取り組みを私のほうで把握をしておりませんが、さら に学校のほうにも、そういった地域の教育力、地域の教育的な人材も含めた活用について検討 をしてまいりたいと考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) ほかに質問はありませんか。戸坂健一議員。 ○7番(戸坂健一君) それでは、最後の質問にいきたいと思います。先ほどもお話ししたとおり、 私が平成25年の議会のときに道徳教育の今後についてということで質問をさせていただいたと きに、当時の教育長からのご答弁は、「道徳というのは非常に重要な領域であるというふうに 考えておる。しかしながら、道徳を教科化にした場合、心の内面のことを評価するというのは 非常に難しいのではなかろうかというふうに思う。ですから現行の道徳教育の方針に沿ってや っていくのがいいのであって、あえてここで教科化する必要はない」というふうにはっきりご 答弁をいただきました。 あれから5年がたちました。また、さまざまな社会的な問題等が顕在化する中で、私は道徳 の教科化というのは必須のものだというふうに思っています。また、勝浦市の教育委員会とし て、これまでなかったやり方、例えば議論の方法に特化して授業を進めていくとか、地域社会 の皆さんと連携して道徳を行っていくという方法もとれると思います。一つのチャンスだとい うふうに思います。時代が大きく変化する中で、改めて、現教育長から、道徳教育についての 理念や、意気込みというか、あるべき姿、取り組み方針などについて、お考えがあれば最後に 伺いたいと思います。 ○議長(岩瀬洋男君) 答弁を求めます。岩瀬教育長。 ○教育長(岩瀬好央君) 非常に難しい問題だと思います。子どもたちが学習する内容においては、 基本的に教えるべき内容というのは学習指導要領に定められている。それは、今課長からも説 明してもらったように、4つの観点、いろいろあるわけです。そういう中で、議員ご指摘のよ うに、いろいろなやり方もあると思います。ただ、教科化は今年から始まったわけですから、 いろいろなやり方も、まだまだ研修不足もありますから、そういう中である程度の形はつくる んだと思います。ただ、私自身は、これはあくまでも、教育委員会だとか、例えば私の考え方 で、こうすべきということは言うべきではない。それはあくまでも学校の子どもたちの実態、 一番よくわかっているのは学校の現場の教員ですから、その学校の現場の教員が子どもたちの 実態を見ながら、いいところ、悪いところ、あるいは足らないところ、優れたところ、そうい ったもろもろの状況がありますので、そういう中で、その実態に合って、先ほど申し上げたよ うに、道徳教育の全体計画というのはつくられているわけですから、それをもとにして行うべ きものが道徳。ただ、議員がご指摘のように、では、なぜ道徳が教科化になったのか、あるい は、道徳教育というのは大きなものであって、学校教育全体の中で行うべきもの、その中の一 つとして教科としての道徳があって、その教科としての道徳というのは、道徳性を養うとか、 道徳的行為をつくるというのではないわけです。それは教科も含めた学校全体の道徳教育の中 でそういったものをつくっていくというように言っているところであります。ですから、教科 としての道徳というのは、いろいろな考えの中で、いろいろな葛藤が出てくる中で、自分自身 を見詰める。もう一つは、いろいろな人の考え方があるんだという多面的・多角的な見方を学 65 んでいく。あくまでもそれが目的の授業ですから、そういった点において、子どもたちがこの 課程の中でどういった成長が見られたかとか、どういった考えを受け入れる、そういったもの ができたか、そこの部分を教科として評価するところでありますので、ただ、これは本当に難 しいと思います。ですから、やはりいろいろ検討しながら、あるいは、議員もご指摘のように、 例えば文科省の道徳教育アーカイブなどでは、そういった授業の実践事例など出ていますから、 そういったところも踏まえながら検討していく。今の段階でこうすべきであるというところは、 まだまだ時期尚早かなというふうに私は考えております。以上です。 ○議長(岩瀬洋男君) これをもって戸坂健一議員の一般質問を終わります。 午後3時03分 散会 ──────────────────────── 本 日 の 会 議 に 付 し た 事 件
    ╶───────────────────────╴ 散 会 議長(岩瀬洋男君) 以上をもちまして本日の日程は全部終了いたしました。 明9月6日は、定刻午前10時から会議を開きますので、ご参集を願います。 本日はこれをもって散会をいたします。ご苦労さまでした。 ○ 1.一般質問 66 ...